堤真一「パワーで」山田裕貴「広がったら」 映画「木の上の軍隊」舞台・沖縄でワールドプレミア

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2025年05月23日 20:39  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

ダブル主演映画「木の上の軍隊」の舞台・撮影地となった沖縄県を訪れた山田裕貴(左)と堤真一

堤真一(60)と山田裕貴(34)が25日、ダブル主演映画「木の上の軍隊」(6月13日に沖縄先行公開、7月25日全国公開)の舞台・撮影地となった沖縄県那覇市での完成披露上映会に参加するため沖縄入りした。


約1カ月にわたる撮影が行われた、昨年11月以来の沖縄訪問となった。堤は「沖縄の方たちに見ていただきたいのはもちろんなのですが、全国の子供たちに、ぜひ見てもらいたい作品です。まず、この沖縄の地から熱を上げて、そのパワーで全国に広がっていって欲しいなと思います」と力を込めた。世界初上映となるワールドプレミアに向け、山田も「映画は見てもらえることが何よりの幸せなので、たくさん広がったらいいなって思っています」と期待した。


「木の上の軍隊」は、10年に亡くなった劇作家の井上ひさしさんが生前、やりたいこととして記し、病床でプロット(あらすじ)まで作り、残した1枚のメモを基に没後の13年に初演。太平洋戦争末期に熾烈(しれつ)な地上戦が繰り広げられた沖縄で、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた日本兵2人の実話を基にした物語で「父と暮せば」「母と暮せば」と並ぶこまつ座「戦後“命”の三部作」と位置づけられ再演を3度、重ねた。


堤は太平洋戦争末期の1945年(昭20)の沖縄・伊江島に宮崎から派兵された上官の山下一雄、山田は地元沖縄出身の新兵・安慶名セイジュンを演じた。日本軍は米軍との激しい交戦の末に壊滅的な打撃を受け、2人は激しい銃撃に追い詰められて森の中に逃げ込み、大きなガジュマルの木の上へ登り身を潜める。仲間の死体が増え続ける中、連絡手段もなく、援軍が現れるまで耐えしのごうと、2人は終戦を知らぬまま2年もの間、木の上で“孤独な戦争”を続けた。


沖縄出身の平一紘監督のもと全編、沖縄で撮影し、木の上のシーンは実話と同じく伊江島で実際に生えているガジュマルの木を活用。沖縄在住のスタッフを中心に組まれた製作陣が撮影を敢行した。堤は、沖縄での撮影を振り返り「実際に伊江島で、本物のガジュマルの木で、前向きな沖縄のスタッフの方々と仕事ができたというのは、すごく良い経験でした。すごく大切で充実した時間で、みんなが本当に優しかったです。思い出したら泣きそうになるくらいなのですが、今回の撮影は、僕にとっての宝だったと思います」と感謝した。


山田は「これだけの熱意を持って一緒に撮影をしてくださる皆さんといれる時間がすごく楽しかったですし、何より、あの大先輩である堤さんと、ずっと2人でお芝居ができるという幸せな時間でした」と、製作陣と堤に感謝。「僕が演じた安慶名は、自分の故郷が戦地になってしまって、帰れる場所がなくなってしまうのですが、彼と同じような気持ちにもなれて、すごく気持ちがリンクがした1カ月間でした」と、役として生きた沖縄での撮影の日々を振り返った。

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