イリチルとシズニの強固な絆、そしてグループの輝かしい未来を信じられる公演だった。日本デビュー8年目に突入したNCT 127のコンサートツアー「NEO CITY : JAPAN – THE MOMENTUM」が、5月22日の東京ドーム公演でファイナルを迎えた。現在、メンバーのテヨンとジェヒョンが兵役で活動を休止しており、初の6人体制でワールドツアーに臨んでいる。当初は不安もあったというが、日本公演のラストシーンはイリチル(NCT127)とシズニ(ファンの愛称)の幸福な一体感であふれていた。
■序盤からイリチルの唯一無二の魅力が爆発!
シズニの息の合ったカウントダウンとともにスタートした「NEO CITY : JAPAN – THE MOMENTUM」ファイナル公演。OP映像では、特殊部隊員に扮したメンバーたちが銃撃戦を繰り広げ、さながら映画のよう。そして、ステージ中央のスクリーンが開くと、そこには映像と同じく特殊部隊風の衣装を着た6人が並んでいた。
大きな歓声が響き渡るなか、1曲目に『Gas』を披露。圧倒的な迫力のパフォーマンスで、一気に観客を魅了する。さらに『Faster』『Bring The Noize』とパワフルな楽曲が続き、会場の熱気はどんどん上昇していく。
「摩天楼」を意味するヒップホップ曲『Skyscraper』では、可動式ステージがくねくねと生き物のように動く演出も。続いて、7年前の日本デビューを飾ったナンバー『Chain』を披露すると、会場から歓声が巻き起こった。序盤から爆発的なエネルギーで、他を寄せ付けないカリスマ性を感じさせる。
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しかし、MCタイムに突入すると、先ほどまでのゾクッとするような雰囲気が一変。メンバーたちは、日本語で「暑いですね〜」などと人懐っこい笑顔を見せ、ときおりふざけ合いながら、順番に挨拶をしていく。
唯一の日本人メンバーであるユウタは、公演の生中継が行われていることにも触れ「シズニじゃない人も見てるかもしれないから、俺たちの力を見せつけてやろうぜ!」と観客を盛り上げる。
イリチルの言葉にシズニが大きな歓声で答え、会場の一体感が高まり続けるなか、続いては爽やかなラブソング『Designer』を披露。メンバーたちはステージを自由に歩き回り、丁寧にファンサービスをしていく。さらに『Orange Seoul』『Touch』と明るい楽曲が続き、メンバー同士も自然なスキンシップを見せてくれた。
その後、モノトーンのシックな衣装に着替えたメンバーたち。『No Clue』『Pricey』『Sticker』と、さまざまなジャンルのエッセンスを昇華させた、独創的な楽曲を披露。前半戦からNCT 127の唯一無二の音楽性や、精巧なパフォーマンスをこなす実力を存分に見せつけた。
■ヒップホップからバラードまで、多彩な楽曲で観客を魅了
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2️回目のMCタイムでは、メンバー同士の仲の良さが際立つ場面も。ユウタがドヨンのシャツの首元を整えてあげていると、その後ろからジョンウが近付き、ユウタのシャツの背中のファスナーを思いきり開けたのだ。すると、さらにその後ろからヘチャンがやって来て、今度はジョンウの背中のファスナーを開けるという、かわいすぎる連鎖が発生。シズニも黄色い歓声を上げていた。
後半戦は『Whiplash』と『Lemonade』からスタート。繊細さと大胆さを併せ持つユニークなダンスに思わず目が釘付けになってしまう。続く『Rain Drop』では、モノトーンな世界観と黒い傘を使ったパフォーマンスで、シックでクールな雰囲気に。ステージを闊歩するだけで、サマになるのはさすがだ。
そしてここから、『Can’t Help Myself』や『No Longer』など、しっとり系のナンバーを歌い上げるパートへ。メインボーカルのドヨンの伸びやかな歌声はもちろん、メンバー全員の歌唱力がとても高いことに、改めて驚かされた。そこに、マークのカリスマ性のあるラップが合わさり、イリチルにしか表現できないオンリーワンな魅力が加速していく。
クライマックスは、レザージャケットの衣装に着替え、ハードなヒップホップ曲『英雄; Kick It』、EDMのエッセンスを感じるダンス曲『Fact Check』と、最後までエネルギーを爆発させる。ラストに向けてイリチルもシズニもどんどんギアが上がっていき、会場の熱気は最高潮に達していた。
ステージが暗転しても歓声が止むことはなく、そのまま「NCT!」「イリチル!」というコールが始まる。スクリーンには、「6人でイリチルを守ってくれてありがとう」「127年後も愛してる」とシズニたちの愛のこもったメッセージも映し出されていた。
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その思いに答えるように、『Wall to Wall』で再びステージに現れたイリチルのメンバーたち。曲のラストにはスクリーンに8人の影が映し出されるという演出が。たとえ離れていても8人の絆は揺るぎないことを感じさせる瞬間だった。
MCタイムでは、シズニからイリチルへのサプライズも。「一生一緒に 私たちの誇り」というメッセージのスローガンを掲げ、『Long Slow Distance』の一節を合唱する。それを見ていたメンバーたちの表情には、幸せな気持ちがあふれていた。
■ 「夢を叶えてくれてありがとう」イリチルとシズニの絆は永遠!
いよいよフィナーレが近付き、メンバーが一人ずつ感想を話す時間に。今回の公演は8人中2人が参加できないうえに、準備期間も満足に取れなかったそうで、ジャニーが「最初は前向きな気持ちで臨めなかった」と明かし、それを後悔しているとも語った。一方で、「ここまで来られたのはシズニのおかげ」「THE MOMENTUMと美しく別れさせてくれて、ありがとうございます」と感謝の気持ちも述べた。
ヘチャンも、今回の公演は「本当にできるか不安だった」と語りつつ、「背中を押してくれたシズニのみなさんに感謝しています」と。そして「テヨン兄さんとジェヒョン兄さんを含めて、8人のNCT 127を愛してくださって、ありがとうございます」と締めくくる。
マークは、韓国語で「会場の客席をいっぱいにできるのは、当たり前のことじゃない」「それをいつも叶えてくれてありがとうございます」と語ったあと、日本語で「僕たちの夢を叶えてくれてありがとう」「末永く、よろしくお願いします」と話した。
ファイナル公演ということで、少ししんみりした空気も流れていたが、ここでユウタが「終わりがあるからこそ、新しい挑戦ができる」「俺もここで終わりだと思わず、また何か始められたらと思うし、みんなもそういうふうに思って生きていってほしい」と、力強いメッセージを。
続くジョンウは持ち前の明るさで、「僕たちは、素敵な音楽とともに戻ってきます」「それまで健康で元気に過ごせますよね? 僕が見守ってますよ!」と、愛嬌たっぷりに話した。
そして最後のドヨンは、流暢な日本語で「正直、前回のツアーの最後の公演では、自分たちの次の活動が想像できなかった」「でも今は、僕たちの未来が心配じゃないです」「8人全員でここに戻ってきます」と語ったあと、世界中のシズニに向けてメッセージを。「僕たちの事務所SM(エンタテインメント)も、僕たちNCT 127も永遠なので、これからも推し続けてください」と明言し、シズニの大きな歓声はもちろん、メンバーからも拍手を受けていた。
その後、『Promise You』で一度舞台を去ったものの、止まないNCT 127コールを受けて再登場。思いをこめて『Long Slow Distance』を歌い上げ、6人で何度も「ありがとうございます!」と感謝を伝えながら、ステージを後にした。
8人中2人が活動休止中のうえ、これから兵役を控えているメンバーもいる。だからこそ今回のツアーには、不安や葛藤があったのだろう。しかし実際は、イリチルの唯一無二の魅力と、シズニとの深くて強い絆を感じられる公演だった。ドヨンの言葉どおり、「NCT 127は永遠」なのだ。イリチルとシズニの目の前には、明るい未来が広がっているに違いない。
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