
もう履かなくなったタイヤや交換後のタイヤは、どのように処分すれば良いのかわからず不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
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タイヤには適切な処分方法があり、これを怠ると法的に罰せられる可能性もあります。しかし、ルールや処分方法は決して難しくも面倒なことでもないので心配はいりません。現役の整備士が分かりやすく解説します。
車のタイヤを処分できる場所
基本的に車のタイヤは、車の整備を行っているお店であればほとんどのところで処分を受け付けてくれます。
【タイヤを処分してくれる場所の例】
・自動車ディーラー(整備工場併設)
・中古車販売店(整備工場併設)
・一般の自動車整備工場(町の車屋さん)
・ガソリンスタンド(一部)
・カー用品店(整備工場併設)
・タイヤ販売店
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また上記の場所以外にも、処分の方法があります。
・不用品回収業者
・一部の自治体
不用品回収業者は明確な買取金額のルールを掲示していないことが多く、自宅まで取りに来てもらい処分してもらえるメリットがあるものの、費用面でのトラブルも少なくないのであまりおすすめしません。
また、基本的な認識としてタイヤは自治体の回収可能な粗大ゴミ等には含まれず、ほとんどの自治体ではタイヤの回収は行っていません。しかし、ごく一部の自治体で回収をしているところがあります。
【例】
・愛知県岡崎市
・茨城県つくばみらい市
・埼玉県さいたま市
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一度、お住まいの市区町村のホームページで確認してみても良いかもしれません。
<補足>車のタイヤ処分のルール
車のタイヤは好き勝手に廃棄できません。タイヤの処分については廃棄物処理法で定められています。
もし、不法投棄や不法焼却したとき個人の場合は「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金または併料」、法人の場合は「3億円以下の罰金」という重い罰則が科せられます。
また、自治体が処理する一般廃棄物のうち全国的に廃棄・処理が困難なものは環境省が「適正処理困難物」に指定しています。タイヤはこの適正処理困難にあたります。
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ちなみに適正処理困難物には、タイヤ以外な身近なものとして、テレビや冷蔵庫などが挙げられます。
車のタイヤ処分のやり方
車のタイヤ処分はタイヤ交換をするタイミングであれば、タイヤ交換をする事業者に廃タイヤ処理を依頼するのがもっともスムーズです。
わざわざこちらから処分の依頼をしなくても、タイヤ交換に際しての見積もり書には「廃タイヤ処理料」がタイヤの本数分入っていることが一般的です。
もし自宅に処分したいタイヤがある場合には一度、いつもお世話になっている整備工場などに問い合わせしてみてから持ち込むのが、依頼もしやすく気も遣わないのでおすすめです。
また、処分したいタイヤがまだ使用可能な状態であれば、フリマサイトやオークションサイトで販売したり、リサイクルショップに売却する方法もあります。
中古品として販売するときは、ホイール付きでも構いません。むしろそちらの方が売りやすいです。
タイヤの処分にかかる費用の目安
タイヤを処分してもらうためには費用がかかります。
業者によって多少の値段の違いがありますが、一般的な車のタイヤの処分であれば、300円〜500円(税別)/本が費用の相場です。
4WD車をはじめとした大径サイズのタイヤだと750円〜1,200円(税別)/本と、すこし費用が高くなるお店もあります。
タイヤの処分に際してホイール付きの場合で、外したホイールは手元に置いておきたいからとホイールからタイヤを外す作業が同時に発生するときは、別途費用が掛かるケースがあります。
ホイールからタイヤを外す場合、費用の目安は500円〜2,000円/本ですが、通常メニューと異なるので該当する場合は事前にお店に相談してみましょう。
また、不用品回収業者は別途出張料が発生することもあるので、上記で紹介した費用と比較して極端に高額となる場合には注意しましょう。
わたしの実家の母は、実際にこれで高額な費用請求を受けたことがあります。
タイヤを処分ではなく売る場合の留意点
タイヤを中古品として売る場合には、売主として商品の状態に配慮する必要があります。トラブルを避けるためにも何点か注意が必要です。
▽残り溝に注意する
タイヤは残り溝が1.6mm以下になると車検に通りません。タイヤには必ず、スリップサインと呼ばれる1.6mmを示すサインがタイヤ溝上に段差としてあるので参考にしましょう。
また、一般的には3mm前後が交換を検討する残り溝です。タイヤ単体として売ることを考えたとき、最低でも4mm程度はないと買取が成立することは厳しいかもしれません。
また、スタッドレスタイヤの場合はスリップサインとは別に、プラットホームと呼ばれるスタッドレスタイヤとしての使用限度を示すサインがあり、おおむね新品時の半分の残り溝(4〜5mm程度)となっています。プラットホームが出ていないかどうかもチェックしておきましょう。
▽製造年を確認する
タイヤはゴム製品で劣化するので、性能を維持するためにも新鮮さが重要です。特にスタッドレスタイヤは中古品であっても新しさを求める傾向が強いです。
4〜5年経ったタイヤは交換目安時期となります。古すぎるタイヤは売るのが困難なので、処分することをおすすめします。
製造年はタイヤのサイドウォールに刻印されている4桁の数字から読み取ることができます。
4桁の数字は前2桁は製造週、後ろ2桁は製造年を表します。
(例)「2125」→2025年の21週目に製造されたタイヤという意味
▽パンクや損傷、劣化に注意する
当然ながらパンクやバースト、コブの発生といった損傷や劣化によるゴムのひび割れがあるタイヤは、売り物として好ましくありません。この場合は、処分するのが妥当でしょう。
▽ホイールとセットで売る場合に知っておきたいこと
タイヤを売る場合、残り溝や製造年、損傷・劣化度合いは重要なポイントですが、ホイールとセットで売る場合は上記で解説した注意点の条件を満たしていなくても、十分に売れる可能性があります。
これはホイールに使用価値があることが前提となります。
判断基準が難しければ、馴染みの車屋さんに売れる見込みがあるのかどうか相談して聞いてみても良いかもしれません。
整備士のまとめ
タイヤは決して不法投棄してはいけません。
罰則も厳しく、地域の景観を損なうばかりではなく環境にも良くありません。
基本的に自治体の粗大ゴミとして出せるものでもないので、処分に困らないように、タイヤ交換のときにそのままお店に処分してもらうのがもっともスムーズです。
また、状態の良いタイヤは売れる可能性もありますが、あくまでタイヤは消耗品なので期待し過ぎないほうが無難です。
(まいどなニュース/norico)