
血圧が高い人は、普段から食生活にも気を使っているでしょう。実は朝一番に飲むのはやめたほうがいい飲み物と、逆に血圧を下げてくれる飲み物があるようです。そこで、朝に飲むべき血圧改善ができる飲み物について、YouTubeチャンネルの登録者数が50万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。
朝イチの“カフェイン”には要注意!
朝は自律神経の状態が落ち着いていないことが多いため、朝一番でカフェインを摂って刺激をするのは血圧が高めの人はオススメできません。
特に、毎朝2杯以上のコーヒーを飲んでいる人は、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患が2倍以上になるという最新の研究結果も出ています。
アメリカの心臓学会もカフェイン入りのドリンクは基本的に朝は飲むのをやめましょうと言っているのですが、同時に砂糖入りのジュースも避けたほうがいいと言っています。
朝は血糖値を上げたいと考えて甘いジュースを飲む人も多いかもしれませんが、血圧が高い人は砂糖入りのジュースは控えるべきです。
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では、血圧の高い人はどんなドリンクを朝に飲んだほうがいいのか。朝飲んでも血圧が上がらずに落ち着くことができる3つのドリンクを今回は紹介します。
“ビーツ”には硝酸塩が多く含まれている
まず1つ目は「ビーツジュース」です。ビーツジュースには血圧を下げる役割のある硝酸塩が多く含まれていて、1日あたり500mlのビーツジュースを飲むと血圧が下がるというデータも報告されています。
ただ、ビーツはそのまま飲むとかなりキツいので、薄めて飲まなくてはいけないですし、生のビーツは手に入れにくくもあるので、現実的にはビーツパウダーで摂取するのがいいかと思います。
ビーツの血管を拡張させる作用はトレーニングの後の疲労回復効果もあるので、そういった面でもオススメです。
“トマトジュース”は血圧とコレステロールを低下させる
2つ目は「トマトジュース」です。2019年の東京医科歯科大学が行った研究で、食塩無添加のトマトジュースを1日平均215ml飲むというのを481人の人が1年間続けたところ、血圧の上と下の両方が低下した人、そしてLDLコレステロールも同時に低下した人が多く見られました。
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ですので、トマトジュースに血圧を下げる効果があることがわかっています。
「お茶」はカフェインが含まれるが血圧を下げる
3つ目は「お茶」です。緑茶や紅茶などのお茶が血圧に与える影響が2020年に研究されていて、血圧の上も下も下がるということが報告されています。
緑茶のほうがより血圧が下がることがわかっていて、あとはハイビスカスティーが血圧を下げる効果があることもわかっています。
緑茶や紅茶にもカフェインが含まれているので、コーヒーとどう違うのかと感じると思いますが、緑茶や紅茶は血圧を若干下げる傾向があり、コーヒーは短期的に上げる傾向が出ています。
そのため、高血圧の人などは、どちらかというと緑茶や紅茶を選択したほうがいいでしょう。
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(TEXT:山田周平)
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画像提供:Adobe Stock
※2025年5月24日更新
石黒成治先生
消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は50万人超(2025年5月時点)。