
3歳牝馬クラシックの第2弾、GIオークス(東京・芝2400m)が5月25日に行なわれる。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は6勝、2着2回。2番人気も1勝、2着3回、3着3回と、かなり安定した成績を残している。GIのなかでも波乱の少ない一戦と言えるかもしれない。
とはいえ、ほとんどの馬にとって未知なる距離での戦い。人気薄馬が馬券圏内(3着以内)に突っ込んでくることもしばしば見られ、3連単では好配当が何度となく飛び出している。
たとえば、2021年には断然人気のソダシが馬群に沈むなか、16番人気のハギノピリナが3着に入って50万円超えの高額配当をつけた。他にも、2019年には12番人気のカレンブーケドールが2着、2022年には10番人気のスタニングローズが2着と奮闘し、ともに10万円超えの高配当となっている。
であれば、穴狙いに徹してみるのも悪くない。とりわけ今年は、上位人気馬に距離不安が囁かれている。長丁場の戦いで一発が期待できる伏兵を見つけ出して、オイシイ配当をゲットしたいところだ。
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ということで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで激走を果たしそうな穴馬をあぶり出してみたい。
まず、注目したいのは、桜花賞未出走で直近のレースを連勝してきた馬だ。なかには人気馬もいるが、その多くが人気薄で波乱を演出しているからだ。
いい例となるのは、2016年に2番人気で2着に入ったチェッキーノ、2017年に6番人気で2着と好走したモズカッチャン、2019年に1番人気で勝利したラヴズオンリーユー、2020年に7番人気で2着となったウインマリリン、同13番人気で3着と善戦したウインマイティー、2021年に16番人気で3着に突っ込んできたハギノピリナ、2022年に10番人気で2着と健闘したスタニングローズらがそうだ。
そして今年、このタイプが1頭だけいる。2走前に未勝利戦(2月15日/京都・芝2000m)、前走でリステッド競走の忘れな草賞(4月13日/阪神・芝2000m)と連勝を飾っているサヴォンリンナ(牝3歳)だ。
忘れな草賞では2番手を追走し、直線早め先頭から押しきり勝ち。桜花賞組が人気とあって、戦前の評価はかなり低いが、過去例からして侮れない1頭だ。
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続いて気になるのは、オープン以上のレースを勝っている馬だ。なにしろ、過去に馬券に絡んだ30頭のうち、26頭もの馬がこの条件を満たしているからだ。
今回の出走馬でオープン以上のレースを勝っているのは、アルマヴェローチェ(牝3歳)、エリカエクスプレス(牝3歳)、エンブロイダリー(牝3歳)、カムニャック(牝3歳)、サヴォンリンナ、ブラウンラチェット(牝3歳)、レーゼドラマ(牝3歳)の7頭。このうち、先にピックアップしたサヴォンリンナ、人気が予想されるアルマヴェローチェ、エンブロイダリー、エリカエクスプレスは外したい。
残ったのは、カムニャック、ブラウンラチェット、レーゼドラマの3頭。穴馬としては、いずれも面白い存在ではあるが、ここからさらに絞っていきたい。
過去の結果、それも最近のレース傾向が色濃く出ている直近5年の結果をあらためて見てみると、馬券に絡んだ15頭は皆、現役時に2400m以上のGIを勝っている馬の産駒だった。
これに当てはまるのは、キズナ産駒のブラウンラチェットとレーゼドラマの2頭。
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ブラウンラチェットは前々走のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/京都・芝1600m)16着、前走のGI桜花賞(4月13日/阪神・芝1600m)9着と惨敗を喫しているが、2歳時には出世レースのGIIIアルテミスS(10月26日/東京・芝1600m)を快勝。レーゼドラマも前走のGIIIフラワーC(3月22日/中山・芝1800m)で強い競馬を見せて完勝している。ともに大駆けの可能性を秘めている。
激戦必至のオークス。この時期の3歳牝馬にとっては過酷な芝2400m戦において、ハードなレースが展開されることになれば、思わぬ馬の台頭も十分に考えられる。それが、ここに名前が挙がった面々であってもおかしくない。