2025年FIA F2第5戦モンテカルロ フィーチャーレースのスタート。この直後にトップ2台が接触し、計7台がリタイアとなる大混乱となる 5月25日、2025年FIA F2第5戦モンテカルロのフィーチャーレース(決勝レース2)が行われ、ジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)が今季2勝目を飾った。
11番グリッドからスタートを迎えた宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は、オープニングラップの多重クラッシュに巻き込まれ、リタイアとなった。
フィーチャーレースのグリッドは23日に行われた公式予選で決定され、ポイントリーダーのアレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成)がポールポジションを獲得。フロントロウ2番グリッドにビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)が並んだ。
2列目3番グリッドにレオナルド・フォルナローリ(インビクタ・レーシング)、4番手にランキング3位のリチャード・フェルシュフォー(MPモータースポーツ)、5番手にセバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)が続いた。
今大会のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがソフト(レッド)、オプションタイヤがスーパーソフト(パープル)となり、上位勢が総じてプライムタイヤをスタートタイヤに選択する。宮田も同じくプライムタイヤを装着し、グリッドに並んだ。
タイヤ交換義務を有する周回数42周、もしくは60分+1周のフィーチャーレースは日本時間16時45分(現地時間9時45分)に気温20.1度、路面温度22.1度、快晴のドライコンディションのなか、フォーメーションラップがスタートする。
そんななか、モントーヤがストールを喫して5番グリッドから動けず、ピットレーンからのスタートとなった。
スタートでは2番グリッドのマルタンスが抜群の蹴りだしをみせ、トップのダンと横並びの状態でターン1に進入するが、2台は接触してしまう。
接触によってスピンを喫した2台はコースの片側半分ほどを塞ぎ、4番グリッドのフェルシュフォーがダンに追突するかたちで接触して停止。その後方でも多くのマシンが絡む多重クラッシュが発生する。
進路を塞がれた宮田(この時点で8番手まで浮上)を含む後続の9台があおりを受けてコース上に停止する事態となり、オープニングラップ早々にセッションは赤旗中断に。国際映像ではアクシデントに見舞われたマルタンスら数名のドライバーが、感情を抑えきれないシーンが映し出されていた。
マシンの損傷が大きいダン、マルタンスら5台がリタイアとなるなか、ダメージの少ない宮田、ガブリエレ・ミニ(プレマ・レーシング/アルピーヌ育成)はマシンを降りることなくコースサイドで待機する。しかしレースへの再出場は認められず7台がリタイア扱いとなり、残った15台で隊列を再形成する。
隊列は接触を運よく回避したフォルナローリを先頭に、モントーヤ、アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成)、クロフォード、ルーク・ブラウニング(ハイテックTGR/ウイリアムズ育成)、クッシュ・マイニ(ダムス・ルーカスオイル/アルピーヌ育成)、クッシュ・マイニ(ダムス・ルーカスオイル/アルピーヌ育成)、オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)、オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)、アムーリ・コルデール(ロダン・モータースポーツ)というオーダーに。
約40分の中断を経て、セーフティーカー(SC)先導のローリングスタートでセッションは再開を迎えた。なお、長時間の中断により、レースは約30分のタイムレースとなった。
15台はクリーンなスタートを切り、2番手モントーヤがトップのフォルナローリの背後に接近するなか、ターン18(ラスカス)を走行するマイニとデュルクセンが接触する。デュルクセンはガードレールに接触したはずみでコースを横断してマシンを止め、残り27分半というタイミングでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入となった。
残り25分半にVSCは解除となり、23分を切ったタイミングでオプションタイヤを履いたゲーテがタイヤ交換を行う。この動きに呼応したディーノ・ベガノビッチ(ハイテックTGR/フェラーリ育成)らオプションタイヤ組3台がピットインし、10番手のゲーテが交換組のトップとなった。
先頭ではフォルナローリがファステストラップを記録する好走を見せ、2番手モントーヤを引き離しにかかる。上位4台が1分23秒台で快走する一方、5番手のブラウニングはペースが上がらず、チームからピットインの指示を受ける。
しかしターン4(カジノ)でリヤを滑らせたベガノビッチがクラッシュを喫してマシンを止め、残り14分に再びVSCが導入となる。その後VSCはSCに切り替えられ、上位3台を除くプライムタイヤ勢はこの間一斉にピットインを果たした。
上位3台はSCに捕まりピットインのタイミングがやや遅れ、残り9分というタイミングで4番手のクロフォードがトップに浮上。フォルナローリ、モントーヤ、リンドブラッドは、それぞれポジションをひとつ落としてしまった。
SCの先導が続くなか、バリアの修復のため、残り時間6分22秒というタイミングで赤旗が提示される。レースは再開を迎えることなくそのまま終了となり、クロフォードが今季2勝目を挙げた。
序盤に幸運を掴んだフォルナローリだったが最後はSCに泣かされ、惜しくも2位となった。一方、ストールを喫して最後尾からレースをスタートさせたモントーヤは3位となり、波乱のフィーチャーレースは幕を閉じた。
次戦となる第6戦バルセロナは5月30〜6月1日に、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで開催される。
■2025年FIA F2第5戦モンテカルロ フィーチャーレース正式結果
Pos./No./Driver/Team/Time/Gap
1/11/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/1:04’00.825
2/1/L.フォルナローリ/インビクタ・レーシング/6.693
3/9/S.モントーヤ/プレマ・レーシング/8.205
4/7/L.ブラウニング/ハイテックTGR/12.073
5/4/A.リンドブラッド/カンポス・レーシング/12.284
6/12/K.マイニ/ダムス・ルーカスオイル/17.227
7/2/R.スタネ/インビクタ・レーシング/19.392
8/16/A.コルデール/ロダン・モータースポーツ/20.121
9/25/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/21.711
10/5/O.ゲーテ/MPモータースポーツ/37.965
11/24/J.ベネット/ファン・アメルスフォールト・レーシング/55.541
12/22/S.メゲトゥニフ/トライデント/62.555
13/21/C.シールズ/AIXレーシング/63.075
-/8/D.ベガノビッチ/ハイテックTGR/DNF
-/20/J.デュルクセン/AIXレーシング/DNF
-/17/A.ダン/ロダン・モータースポーツ/DNF
-/14/V.マルタンス/ARTグランプリ/DNF
-/6/R.フェルシュフォー/MPモータースポーツ/DNF
-/10/G.ミニ/プレマ・レーシング/DNF
-/15/宮田莉朋/ARTグランプリ/DNF
-/3/J.マルティ/カンポス・レーシング/DNF
-/23/M.エスターソン/トライデント/DNF
・ファステストラップ:#8 ディーノ・ベガノビッチ(ハイテックTGR/フェラーリ育成):1分22秒813(12/16) 145.064km/h
・ペナルティ:#22/#4:5秒ペナルティ/ピットレーンでの速度違反#24/#22:5秒ペナルティ/セーフティーカー違反
[オートスポーツweb 2025年05月25日]