マルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)/2025MotoGP第7戦イギリスGP 5月25日、2025年MotoGP第7戦イギリスGP MotoGPクラスの決勝レースがシルバーストン・サーキットで行われ、マルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が優勝を飾った。
初日と2日目はセッションの間はドライコンディションだったが、日曜日は午前に雨が降り、朝のウォームアップ走行は曇り空のなか路面がウエットコンディションで開始。全車がレインタイヤを履き、ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)がトップ、2番手はヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)、3番手はフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)で終えた。
天候は曇りのままだが、そこから路面は乾き、Moto2クラスの決勝の後は、気温15度、路面温度30度でMotoGPクラスの決勝の準備が始まった。今大会はMoto3クラスの決勝が最後に行われる。
前日の予選でポールポジションを獲得したのはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)だ。1列目はアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が並ぶ。
2列目はマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)、アルデグエル、この日に鈴鹿8耐の参戦が発表されたジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)。3列目はファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、ルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)、ザルコが並ぶ。
決勝は路面がドライ。タイヤ選択は全車がリヤにミディアムを履くが、フロントは多くのドゥカティ勢がミディアム。ソフトはクアルタラロ、ミラー、ザルコ、ベゼッチ、フランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、ソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)が履く。ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)とアレイシ・エスパルガロ(ホンダHRCテスト・チーム)の2名はがハードだ。
20周のレースがスタートすると、先頭に出たアレックス・マルケスが1コーナーでスリップダウン。マルク・マルケスがホールショットを奪い、2番手にクアルタラロ、3番手にバニャイアが続く。するとマルク・マルケスがすぐに後続を引き離していく。後方では16コーナーでアレイシ・エスパルガロとモルビデリが接触転倒した。
2周目には先頭のマルク・マルケスが転倒。しかし、即座に赤旗が掲示されて、マシンを起こしたマルク・マルケスもピットに戻った。
3周を完了せずに赤旗中断となったため、すべてのライダーが再スタートが可能。アレックス・マルケス、マシンをコースサイドに置いて走ったアレイシ・エスパルガロやマシンを押したモルビデリもピットに帰ってきた。
■タイヤ選択が運命の別れ道。クアルタラロは無念のリタイアに
コース清掃が終わり、全車がクイックリスタートでコースイン。オリジナルグリッドで1周減算の19周のレースがスタートした。
バニャイアがホールショットを奪うが、クアルタラロ、バニャイア、マルク・マルケスのトップ3に。4番手にはミラー、アレックス・マルケスは5番手だ。15コーナーでは6番手のザルコがアレックス・マルケスをかわして5番手に浮上した。
2周目はミラーがマルク・マルケスを抜いて3番手に浮上。さらにバニャイアもかわしてヤマハのクアルタラロとミラーがワン・ツーとなる。また、マルク・マルケスは膨らみザルコにポジションを譲って5番手に落ちた。
3周目には首位のクアルタラロとミラーの差は2秒以上に。また、ザルコが3番手に浮上した。その後、マルク・マルケスとバニャイアがミスをして膨らみ9-10番手まで落ちる。
4周目には先頭からクアルタラロ、ミラー、ザルコ、アレックス・マルケス、ベゼッチ、ミル、モルビデリ、マリーニ、マルク・マルケス、バニャイアというトップ10に。また、ベゼッチが4番手まで上げてフロントにソフトタイヤを履いたライダーがトップ4に並んだ。
そんななかバニャイアが7コーナーで転倒。その後ベゼッチがザルコをかわして3番手に浮上した。6周目にはベゼッチがミラーを抜いて2番手、ザルコもミラーをかわして3番手に上がった。7周目に入ると首位クアルタラロと2番手ベゼッチの差は5秒以上に開く。
8周目はマルク・マルケスがミルをかわして7番手まで回復、アレックス・マルケスは6番手だ。クアルタラロ、ベゼッチ、ザルコのトップ3は抜け出しているが、その後は4番手争いが激しくなり、10周目にはマルク・マルケスが5番手まで浮上した。
11周目にはマルク・マルケスがモルビデリをオーバーテイクして4番手に浮上。しかし、3番手までは3秒差がある。しかし、12周目にクアルタラロが手を上げてスローダウン。リヤサスペンションのトラブルのようでレースを諦めた。
ここで先頭はアプリリアのベゼッチへと入れ替わる。ベゼッチと2番手ザルコとの差は3秒、ザルコから3番手マルク・マルケスとの差は2秒だ。残り2周にはベゼッチとザルコの差は4.5秒、ザルコとマルク・マルケスは近づいてきた。
そのままファイナルラップに入る。4番手のモルビデリがマルク・マルケスを襲い、2度目に抜いた。そしてベゼッチが逃げ切り2023年第13戦インドGP以来の優勝を飾った。アプリリアでの勝利は初めてだ。
2位はザルコ、3位はマルク・マルケス、0.017秒差でモルビデリが4位となった。4位はアレックス・マルケス、6位はアコスタ、7位はミラー、8位はマリーニ、9位はアルデグエル、10位はディ・ジャンアントニオだ。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は欠場している。
[オートスポーツweb 2025年05月25日]