45年周年を迎えた「ドトール」が長年愛され続けるワケ。圧倒的な“居心地の良さ”の正体とは

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2025年05月26日 09:00  女子SPA!

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45周年を記念して限定販売されている「ジャーマンビッグドック」。通常のジャーマンドックよりも自慢のソーセージが45%重量アップしている
 ドトールの廃れない魅力とは?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 最近Xなどで、「ドトールの“アイスココア”が濃厚でおいしい」と話題になっています。

 コーヒーではなくココア? と驚く人もいることでしょう。しかしながら実はドトールのココアは、以前から固定ファンがつくほどの隠れた(?)人気メニュー。この盛り上がりを知れば、知らなかった人やコーヒー派の人も気になってくるかもしれません。

 また現在ドトールでは、生誕45周年キャンペーンとして、特別なコーヒーや復刻メニューを発売中。そこにも気になるメニューがあるではないですか!

 そこで今回は、一部で絶賛されるアイスココアの魅力を紐解きながら、安く味わえる方法までご案内。さらには、45年たっても廃れることなく多くの人々に愛され続けるドトールならではの魅力について考えてみたいと思います。

◆ドトールのココアは、やっぱりプロの味だった!

 ドトールで販売されているアイスココアの特長は、濃厚でありながら口当たりがまろやかであること。子どもが飲んでもおいしいと感じるように、苦すぎることなく程よい甘さと香りを重視して作られています。

 この絶妙なバランスを作り出しているのは、水あめや洋酒(アルコール分は製造過程で飛んでいるため子どもも安心して飲むことができる)、甘さを引き立てる食塩など。

 つまりココアパウダーと砂糖をミルクで割るという単純なものではなく、華やかな風味になるよう特別に調合されているため、自宅で作るココアとは別世界の味わいに仕上がっているのです。

 さらに、ココアの上にぽってり乗っているホイップクリームは、普段使うような生クリームよりもなめらかで、固めホイップとは異なります。

 つまりこだわりの甘さや香りに加えて、クリームのくちどけの良さが組み合わさり、“喫茶店ならではのプロの味”に仕上がっているのです。

◆ココアはテイクアウト用に販売されている

 そして朗報です。実はこのココア、自宅で楽しめるように「ロイヤルココア」という商品名で店内やオンラインショップで販売されているのです。

 価格は1リットルサイズで690円。これはMサイズの容量なら1杯138円(クリームを除く)で楽しむことができるということ。

 製造しているのは、守山乳業。濃厚なココアを生み出す技術やおいしさを長持ちさせる滅菌方法などに定評がある乳製品メーカーです。クリーム部分までしっかり再現するなら脂肪分の高すぎない生クリームをやわらかめに泡立てれば、お店の味をある程度再現することができます。

 ドトールのココアが大好きで、自宅でも頻繁に楽しみたいという方には、ロイヤルココアを購入することを強くオススメします。

 ドトールの魅力は今回のココアだけではありません。ドトールの歴史を振り返ると、長く愛されているロングセラー商品がたくさんあることに気がつきます。

 また店内の雰囲気はスタバのような雰囲気でもなく、マクドナルドのようにわかりやすい宣伝をしているわけではありません。にもかかわらず、なぜドトールには根強いファンが多いのでしょうか。

◆背伸びしすぎない世界観が居心地の良さにつながっている

 ドトールのすごさは、メニューをみると一目瞭然です。

 看板スイーツのミルクレープは、北海道産生クリームを使用することで風味豊かに改良され、クレープの極薄感やクリームとの黄金比は、他店が真似できないレベルにまで昇華されています。ミラノサンドのパンも同様で、パリッとしているのに食べるとふんわり柔らかい独特の食べ心地は唯一無二のおいしさがあります。

 つまりドトールは、商品をコロコロ変えることなく、外からやってきたような新商品で勝負するわけでもなく、自分たちが生み出した商品に責任を持ちながら、それらをひとつひとつ大切に守っている。

 決して背伸びをし過ぎることなく、地道に着実に努力を重ねて、さらなるおいしさを追求している。そのような姿勢こそが、多くの人にとって確かな信頼感や親近感につながっているのです。

◆揺るがない自信作でお客に感謝することは、一朝一夕ではできない

 45周年を記念して、現在期間限定で販売しているのが、「ジャーマンビッグドック」。通常のジャーマンドックよりもソーセージの重量が45%アップしています。

 食べてみると、改めてソーセージの濃厚な味わいや、パンのくちどけ感にも脱帽するものがあります。45という数字にかけた粋なアイデアで感謝の気持ちを伝えながらお客を喜ばせることは、商品によほどの自信がなければ実現しないことでしょう。アイスココアだけでなく、ジャーマンドックも若い世代から称賛されていることは間違いありません。

 いかなる時代であっても、ブランドイメージやデジタル戦略に頼りすぎることなく、商品力(味)で勝負する姿勢こそが、幅広い年代から深く愛される基本である。そんな普遍的な商売哲学をドトールに気づかせてもらったように思います。

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

このニュースに関するつぶやき

  • ドトール、以前は愛用していたが、ミラノサンドの値上がりと小ささにうんざりして、もう行っていない。チェーン店ではPRONTOがなかなか優秀。
    • イイネ!2
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