ビルやマンションで見る「定礎」の正体、ロマンに満ちた“重要な役割”があった

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2025年05月26日 09:10  週刊女性PRIME

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最近だと、2021年に神奈川大学横浜キャンパスの図書館で、2023年に仙台市役所の本庁舎で定礎箱を開封した ※写真はイメージです

 日常の気になる疑問を解決!ビルやマンションでよく目にする「定礎(ていそ)」って何?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.ビルやマンションでよく目にする「定礎」って何?

A.建物完成の記念として設置されるもので、定礎の中に定礎箱と呼ばれるタイムカプセルがあります。(一級建築士・建築ライター オキハラさん)

 ビルなどでよく目にする「定礎」という文字が彫られた石やプレート。

 この正体について、「建築物の着工もしくは竣工の記念として設置されるもの。建物の永続的な安定や繁栄、利用者の安全、事業の成功、プロジェクト関係者への感謝など、施主のさまざまな思いが込められているもので、定礎板といわれています

 と話すのは、一級建築士で建築ライターのオキハラさん。

「ビルや学校など、大きい建物以外ではめったに見ない定礎板ですが、基本的に設置の可否は施主の判断です。戸建て住宅など、小規模な建物では設置しないケースが増えていますが、こだわりを持ってプロジェクトを進めた施主は、建物の種類にかかわらず設置を希望することも。

 また、定礎板に決まりはなく、サイズや素材、フォントなど、自由に選択が可能です」(オキハラさん、以下同)

 この定礎板だが、実は石の中に“ある物”が埋蔵されているという。

定礎箱と呼ばれるもので、中身は施主によってさまざま。一般的には、建物の図面や関係者名簿、建設当時の新聞、その年の貨幣などを思い出として入れることが多く、タイムカプセルの役割を果たしています

 ただ、簡単に取り出せるものではないと、オキハラさん。

「定礎箱は、建物が取り壊されるまで開けることはできません。近代の建築技術からすれば、建造物を100年以上使用することも珍しくない。思い出だけではなく、当時の記録や記憶を後世へ伝えるための、重要な役割も果たしているんです」

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