足立紳監督の新作映画『Good Luck』12月に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで公開決定(C)2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM) 連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)の脚本や、映画『雑魚どもよ、大志を抱け』『劇場版 それでも俺は、妻としたい』などを手がけた足立紳監督の最新作『Good Luck』が、12月に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで公開されることが決まった。
【画像】劇中に別府ブルーバード劇場が登場 本作は今年3月に「第20回大阪アジアン映画祭」、4月にイタリア「ウディネ・ファーイースト映画祭」で上映されたほか、今週13日から中国で開催される「第27回上海国際映画祭」アジアナウ部門にも出品される。
物語の舞台は大分県豊後大野。人生に迷う男女の“アンブリン(ぶらぶら歩き)”を、ユーモアと驚きの演出で描くロードムービーだ。当初は別府ブルーバード劇場で上映する短編として構想されたが、風景とキャストの魅力に心動かされた足立監督が、長編化と全国公開に踏み切った。
主人公は、30歳目前ながら同棲中の女性に養われている自称・映画監督の大山太郎。大分で開催される映画祭に入選し現地へ向かうが、上映会で主催者の女性から厳しい批評を受けて落胆。その後、ふらりと訪れた築後大野で、自作映画を観ていたという砂原未希と出会い、一泊二日の小さな旅に出る。正体不明だが率直な性格の未希に心を開いていく太郎は、やがてほのかな恋心も抱き始める。
太郎を演じるのは佐野弘樹(『SUPER HAPPY FOREVER』など)、未希役には天野はな(『Chime』など)。ともにオーディションで選ばれ、豊後大野をさまよう男女を軽妙に演じる。また、加藤沙希、篠田諒が共演。剛力彩芽、板谷由夏も出演し、それぞれユニークな役どころを務める。
当初短編として企画されていた本作。佐野「98シーンもあることに驚き、本当に短編として撮りきれるのか半信半疑でした。ところが、完成した作品を観ると104分の長編に仕上がっていて…」と振り返る。天野も「学生映画のような熱気と笑いに満ちた撮影現場で、豊後大野を舞台に思わず力の抜ける、幸せで楽しい映画になったと思います」とコメントした。
足立監督は「佐野さんと天野さんが歩き回る姿が魅力的で、ずっと見ていたくなった」と語り、短編として企画したものの長編化に踏み切った理由を明かす。「別府短編プロジェクトの皆さんが理解してくれたおかげ」と感謝を述べつつ、「きっと観客の皆さんにも共感してもらえるはず」と作品への自信をのぞかせた。
あわせて公開されたティザービジュアルでは、豊後大野の絶景・轟橋を背景に、旅の途中の太郎と未希の姿が切り取られており、日常からふと離れた“空白の時間”を感じさせる印象的な一枚となっている。