キム・ゴウン“ジェヒ”が纏う赤は「代わりのきかない色」『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』監督が語る意図

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2025年06月12日 18:01  cinemacafe.net

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『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』ⓒ 2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
キム・ゴウン、ノ・サンヒョン、そしてイ・オニ監督が来日し話題を集めた映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』。この度、来日中のイ・オニ監督に、キム・ゴウン演じるジェヒのファッションについて、さらに“涙なしには見られない!”と熱い感想が続出のラストシーンを飾るK-POPのヒット曲「miss A」の「Bad Girl Good Girl」の起用理由について直撃した。

■ジェヒのカラー“赤”は“代わりのきかない色”
キム・ゴウン演じるジェヒの自由奔放で、恋愛に猪突猛進な姿は時に世間の誤解をよぶことも。それを危惧したフンスが「恋愛は赤い服みたいなもんだ、一度着ただけで“赤い服の女”と呼ばれ続ける」と語るように、“赤”は強烈なインパクトを残す色である。

ポスターにもなっているジェヒの真っ白なウエディングドレス姿に対しての【赤いコンバース】が“ジェヒらしさ”を象徴するように、劇中では、この“赤”の小物が印象的に登場する。

ゲイであることを知られるのを恐れ、目立たないよう、孤独に生きていたフンスの前に颯爽と現れたのは、動き出したバスを強引に止め、時間ギリギリにも関わらず堂々と乗り込んでくるジェヒ。バス停まで彼女が乗ってくるのは“赤”のスクーターだ。

そして、冒頭のフンスのセリフを聞いたジェヒが試着室から出てくるときに身につけているのは、これも“赤”のミニスカート。彼女“らしさ”を表現するときには、赤色の小物が差し込まれている。

「赤というのは“代わりのきかない色”でもあります」というイ・オニ監督。「人目につく、際立つものとしてジェヒを表現できる色はないのかと、“色”を探していたんですね。その結果“赤”というのがジェヒのカラーになりました。言葉で伝えるよりも映像でパッと見た時にそのキャラクターがスッと入ってくるような表現を模索しましたね」と語っている。

そんなジェヒが社会人になり、周りに馴染もう、そのために妥協していこうとする中で、“ジェヒの色”が消えていくが、あることをきっかけにそれを取り戻す。

一方のノ・サンヒョン演じるフンスは、学校ではグレートーンのファッションだが、自分を解放できるクラブに行くと違う色味のファッションに身を包む。本作において、こうした“色彩”は演出の大きなポイントとなっている。

「シャネル(CHANEL)」のグローバルアンバサダーを務めるなど、ファッショニスタとしても知られるキム・ゴウンはジェヒを表現する際、「意図していないところで肌が見える衣装になるようにしました」と語っており、色彩に加え、ジェヒの性格のディテールをビジュアル面で表現。

こうしたセリフでは語られない細かい心情やキャラクター性が、ファッションや色彩に表れている点も注目となっている。

■圧巻のフィナーレを飾るK-POP曲、miss A「Bad Girl Good Girl」
試写会や先行上映で「感動しすぎて涙ボロボロ」「思い出すだけで泣ける」「またすぐに見たくなる!」といった声が上がり、さらに「トレンディエンジェル」斎藤司氏も10回以上見直したと語る圧巻のフィナーレシーンで登場するのが、K-POPの大ヒット曲として日本でも知られる「miss A」の「Bad Girl Good Girl」だ。

同居生活を送っていた青春時代のジェヒとフンスは、部屋でパックをしながらこの曲を聞いていた。社会に出て人生に葛藤し、それでも自分らしさを貫き通した2人の人生の晴れの舞台では、再びこの曲が印象的な役割を果たし、物語にも深く関係する重要な楽曲となっている。

「miss A」は2010年7月にアルバム「Bad but Good」でデビューした4人組ガールズグループ。タイトル曲としてリリースされたこの曲は、発売と同時にヒットチャートを独占、2010年の年間チャート1位を記録。2010年代を代表するK-POPソングの1つであり、「miss A」の代表曲といえる。


「私みたいな女は初めてみたいだけど なぜ決めつけるの? もしかして私が怖い? 外見はバッドガール 中身はグッドガール うわべだけしか知らないくせに」といった歌詞は、劇中ジェヒがずっと抱えてきた心情に見事に重なる。

この楽曲を選んだ理由についてイ・オニ監督は、「もともと原作では違う曲が使われているんですけれども、この映画の背景になっている時期にあった、この映画に合った新しい曲を見つけたいなと思っていました。プロデューサーからこの曲を提案されて、聞いた瞬間“これだ!”と決めた。この曲を変えるということは一切考えたことがなかったです」と歌詞と映画の関係を語ってくれた。

キム・ゴウンとノ・サンヒョンも1番好きなシーンと語っており、「このシーンのために走ってきた」と強い想いを持っている場面で起用されているこの曲。

価値観の押し付け、ルッキズム、ハラスメント…、そうした“過去の価値観”からの脱却を歌う楽曲と、ジェヒとフンスが紡いできた13年の物語がピッタリと重なりあい、最高潮にエモーショナルなシーンを演出している。

『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』は6月13日(金)より全国にて公開。





(シネマカフェ編集部)

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