レッドブル、2023年ローンチイベントでフォードとの提携を発表 アメリカの自動車メーカー『フォード』は、F1への復帰は短期的な実験ではないと明言しているが、同社の継続的な関与は重要なひとつの原則にしっかりと結びついている。それは、F1の将来において電動化が中核でなければならないということだ。
フォードは、2026年に待望のF1復帰を果たすべく、レッドブル初の自社製パワーユニットの開発を支援するため、レッドブル・パワートレインズと提携する準備を進めている。このタイミングは、内燃機関と電力の性能を50対50に分割したパワーユニット(PU)の導入と一致している。
フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、このハイブリッドのアプローチが、フォードが20年以上の時を経てF1に再参入する決断を下した主な要因であり、このスポーツにおけるフォードの将来にとって譲れない点であることを改めて強調した。
■電動化は、F1におけるフォードの将来の中核
ラッシュブルックは、フォードの長期的な野望は単に競争することではなく、他のマニュファクチャラーと協力してF1の未来を形作ることだと明言した。
「間違いなくそれが我々の意図だ。我々はこのスポーツの将来にとって何が正しいのか、他のすべての関係者と協力して取り組むことに尽力する」
「それは、いずれかのマニュファクチャラーが望んでいるものになるだろうか? ノーだ。だが、それはプロセスの一部だ。結局のところ、その議論がまさに我々の望むものであり、他のすべてのマニュファクチャラーが撤退するというのであれば、これは健全なスポーツではないということだ」
ラッシュブルックは、コース外での協力の重要性を強調した。
「我々はそのことを知っているし、他のマニュファクチャラーも同様に知っている。つまり、スポーツの利益、スポーツの健全性のために協力し合わなければならないし、基本的にコース外ではパートナーになるということだ」
「コース上では激しい競争をしたいが、コース外では協力し合う必要がある」
■内燃機関の復活には関心なし
彼の発言は、持続可能な燃料を使用しながらも、内燃機関の全面的な復活を再検討するという、最近F1コミュニティ内で交わされた議論に対するものだ。このアイデアは、当初FIA会長のモハメド・ビン・スライエム自身によって可能な方向性として提案されたが、フォードはこれに反対した。
「フォード・モーター・カンパニーとしては、何らかの形で電動化が必要だと考えている」とラッシュブルックは明言した。
「それが、我々が2026年のルールに惹かれた理由の一部だ。重要なのは、ICE(内燃機関)と電動化のバランスだ」
「50対50である必要はあるだろうか? いや、必ずしもそうではない。我々が貢献し、学び、知識を市販車にもたらす機会がある限り、それが我々が求めている理想の形だ」
フォードは電動化したレースを通じた学びと革新に明確に重点を置いており、勝つためだけのレースではなく、進化するためのレースを目指していることは明らかだ。
[オートスポーツweb 2025年06月12日]