北川景子(38)が、内田英治監督の新作映画「ナイトフラワー」(11月28日公開)に主演することが12日、分かった。21年「ファーストラヴ」以来4年ぶりの主演映画で、昼はパート、夜はスナックで働く生活の中、2人の子供の夢をかなえるためにドラッグの売人になることを決意するシングルマザー永島夏希を演じる。原案・脚本も手がけた同監督が、21年の日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「ミッドナイトスワン」の脚本執筆時に着想した「真夜中シリーズ」第2弾と位置付けた作品。初の難役に挑むにあたり、脚本を読み「打たれたような衝撃を受けました」と吐露した。
「お金が必要なんです」と吐露する。ブルーのインナーカラーの髪に、ほぼスッピンで、関西弁でまくしたてる。殴られ、土砂降りの中で「子供たちに未来、見せてやりたいねん」と迫る…見たことのない北川の顔が、スクリーンの中にはある。自身、16年にDAIGO(47)との間に1女1男をもうけた母として「子供が2人いる点などリンクする部分もあり、夏希の大変さは想像することができた」という。「ドラッグの密売は正しいことではありませんが、子どものために全てをなげうってでも、という考え方に強く引かれます」と共感。「親として子どもを守るということ。生かすということ。人が社会で命懸けで生きることの現実の厳しさを目の当たりにし、言葉を失ってしまいました」と振り返った。
23年のWOWOW連続ドラマW「落日」でタッグを組んだ、内田監督から「お声がけをいただき、何が何でもご一緒したいと思いました」とオファーを即決。「ご一緒して人柄や、作られる作品の世界観にどっぷりとはまりました。オリジナル脚本作品でご一緒できるという点が最も引かれた点です」と胸をわしづかみにされた。「飢えさせないために、恥をかかせないために、生活費を手に入れるために決して越えてはならない一線を越えてしまいますが、果たしてそれは悪なのか、罪なのか、と」と深く考えさせられたという。
内田監督は「難役を引き受けていただき、現場ではかつて見たことのない圧倒的な演技が爆発しました。北川さんの、次のフェーズに入る瞬間を見ることができて幸せでございます」と北川をたたえた。
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以下、コメント全文
北川景子 苦しい生活の中で二人の子供を育てる夏希が、子供たちの夢をかなえるために危険な仕事に手を出してしまう。打たれたような衝撃を受けました。夏希は自分ではどうにもならない状況の中で、子どもを生かしていくことに一生懸命です。飢えさせないために、恥をかかせないために、生活費を手に入れるために、ドラッグを密売するという決して越えてはならない一線を越えてしまいますが、果たしてそれは悪なのか、罪なのか、と考えてしまいました。親として、子どもを守るということ。生かすということ。人が社会で命懸けで生きることの現実の厳しさを目の当たりにし、言葉を失ってしまいました。一方で、厳しい生活の中で、夏希や子どもたちが楽園を見つけた一瞬の幸せ、きらめきがまぶしく、この家族に温かい光が差して良かったと思いました。
内田監督からお声がけをいただき、何が何でもご一緒したいと思いました。「落日」でご一緒して、内田監督の人柄や、作られる作品の世界観にどっぷりとはまりました。内田監督のオリジナル脚本作品でご一緒できるという点が最も引かれた点です。また、脚本を読んだ後に作品の世界観から抜け出すことができず、「夏希は、どうすれば良かったのか」と考え続け、答えが出なかったことも引かれた点でした。夏希は、偶然にも最悪な条件が重なってしまった母親ですが、ひょっとすると私だったり、他の誰かだったりするのかもしれない。決して人ごとではないのだと感じました。
(夏希というキャラクターは)苦しい状況の中でも、子どもたちの幸せ、子どもたちの笑顔を1番に考え、己が出し得る限りのエネルギーを子どものために発している人です。大変でも明るさを忘れない、ユーモアのある人だと思います。ドラッグの密売は正しいことではありませんが、子どものために全てをなげうってでも、という考え方に強く引かれます。
クランクインの前に芝居のリハをしました。子役の方々とエチュードをやっていく中で、おのおののキャラクターを定めていかれました。私のキャラクターは関西弁で、「監督が関西で見たことがあるお母さん」のようにということで、どんなお母さんが居たか地元にいた頃を思い返しながらセリフの言い回しなどを考えて提案させていただきました。内田監督はいつも役者に任せてくださる監督だと感じています。「良いね」と言ってくださるたびに、「良いんだ!」とうれしくなり、自由に暴れさせていただきました。
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夏希は、誰か周りに支えてくれる人、助けてくれる人がいれば道を踏み外すことはなかった人です。家庭に恵まれず、社会の救いの手が行き届かないという状況で、必死にもがき、生きようとします。子どもを守りたいという母の強い想い、腐った世界でもなんとか前向きに生きようとする泥くささを、見守っていただけたら幸いです。
内田英治監督(原案・脚本)「ミッドナイトスワン」の脚本を書いたとき、同時に夜の犯罪社会で生きる「母」についてのストーリーを思い浮かべました。本作「ナイトフラワー」は自分的には「真夜中シリーズ」の第2弾でございます。ミッドナイトスワン以降の5年間はコメディーやホラー、ラブストーリーなどさまざまなジャンルをやらせていただき、再びヒューマンドラマという原点に戻ってきたという思いです。陰りゆく国において、ひとりの女性の戦いと友情が描かれます。主演は北川景子さん。ドラッグの売人という難役を引き受けていただき、現場ではかつて見たことのない圧倒的な演技が爆発しました。北川さんの女優としての次のフェーズに入る瞬間を見ることができて幸せでございます。みなさんぜひスクリーンで見てください!
◆「ナイトフラワー」 ギリギリの生活の中で2人の子供を育てる永島夏希(北川景子)は、子供たちの夢をかなえるため、危険な仕事に手を出すことを決意する。それは“ドラッグの密売”だった。昼は母親として、夜はドラッグの売人として生きる夏希の行き着く先は、輝く未来か、それとも…。
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