50台限定で発表された『マクラーレン750Sル・マン』。ル・マン・グレーは1995年のル・マン優勝マシンのカラーリングをオマージュしたものだ マクラーレン・オートモーティブは、今季2025年のル・マン24時間レースを目前に控えた6月2日、マクラーレンF1 GTRによる1995年のル・マン制覇から30周年となることを記念した、世界限定50台の『マクラーレン750S Le Mans(750Sル・マン)』を発表した。
1995年6月18日、グループCカーが完全に姿を消し、GTカーが主役となったこの年のル・マン。JJ・レート、ヤニック・ダルマス、関谷正徳がドライブする国際開発UKレーシングの59号車マクラーレンF1 GTRは、トランスミッションに問題を抱えながらも見事に優勝。これはマクラーレンにとって初出場かつ初優勝という伝説的なものであった。さらに、関谷の勝利は日本人初のル・マン総合優勝であったことから、F1 GTR日本でも馴染みのあるマシンとなっている。
この輝かしい勝利から30周年の節目を迎える2025年、マクラーレンが今年のフランスの伝統的な24時間レースを前に発表したのが、冒頭の750Sル・マンだ。
このたった50台の限定車は、1995年の優勝マシンである59号車を模したル・マン・グレー、もしくは伝統のマクラーレン・オレンジのエクステリアに、カーボンブラックとダブグレー、またはカーボンブラックにマクラーレン・オレンジを組み合わせたインテリアカラーで彩られる。
750Sル・マンは優勝マシンをオマージュしたカラーリングだけでなく、エアロダイナミクスの面で新しいMSOハイダウンフォースキット(HDK)が採用され、トラック性能の向上も図られている。さらに、ルーフスクープや5本スポークのLMホイールなど、まさにマクラーレンF1 GTRを彷彿とさせる専用の装備が盛り込まれた。
やや低くマウントされ、一体型の翼端板を備えたカーボンファイバー製アクティブリヤスポイラーと、拡大されたカーボンファイバー製フロントスプリッターの組み合わせは、視覚的な迫力を増すだけでなく、標準の750Sと比較して10%ものダウンフォース向上に貢献。こうした空力パーツもまさにマクラーレンF1 GTRを想起させるものだ。
750Sル・マンの発表に際し、マクラーレンの最高コマーシャル責任者であるヘンリク・ウィルヘルムスマイヤー氏は次のようにコメントしている。
「750Sル・マンは、伝説のレースでの初優勝から30周年を記念するだけでなく、マクラーレン720S GT3エボが今年のレースに参戦し、2027年にトップクラスへ復帰する予定である我々のブランドを象徴するものだ」
「この限定モデルはF1 LM以来、初のマクラーレン・ル・マン・エディションとしてHDKを採用しており、標準モデル他にしてプレミアが付いている過去650Sと720Sのル・マン・エディションと同様に、当社でもっとも人気あるスーパーカーのひとつになるだろう」
[オートスポーツweb 2025年06月13日]