
イヌ科のキツネといえば、犬に似た愛嬌のある動物ですが、飼っている人は少ないと思います。自身のSNSにイラストや創作漫画を投稿しているきつねねねさんの『きつねいぬきつね』は、とある少年が犬と勘違いしてきつねを拾う様子が描かれた作品です。以前X(旧Twitter)にポストされると、1.8万もの「いいね」が寄せられています。
【漫画】「犬じゃねえし」「ダッサ」と笑われて…懐かないはずのきつねが、まさかの“逆転劇”(全編を読む)
犬を飼って当たり前の世界線できつねを飼う少年
舞台となるのは、誰もが犬を飼っている「一億総わんわん社会」。そんななか犬を飼っていなかった少年は道端できつねと遭遇し、犬と勘違いして自宅に連れて帰るのでした。
それからというものの少年はきつねに「コン」という名前をつけ、ドッグフードを与えたり、一緒に寝ようとしたりして、コンとの距離を縮めようとします。さらに、特技としてお手やおすわりなどを覚えさせようとするも、まったく反応を示さないきつね。
コンが懐かない日が続くなか、強引に散歩に連れ出していると、通りがかりの人に「それ狐じゃない?」と指摘されます。帰宅後、ネットで調べたことで、ようやく目の前にいるのがきつねだと気づく少年。それでも「可愛いからオッケー!」とコンを飼い続けるのでした。
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そもそも少年は同級生同士で飼っている犬の芸を競わせるという約束をしていました。そして、当日、コンを連れてきた少年に対し、同級生たちは「犬じゃねえし」「ダッサ」と笑われてしまいます。その後、決めた芸を披露する「懐き度対決」が開かれ、少年はダメ元でコンに「お手!」と指示。すると、コンは今まで一回もできなかったお手を簡単にやって見せるのでした。
さらに他の種目もすべてクリアし、瞬く間に少年とコンは人気者に。そして、少年は今までの非礼を詫びて、コンを自然に返します。その場から去る時に、泣きながら「たまには!ご飯とか食べに来てもいいからねー」と叫ぶ少年。その後、コンは少年に心を許したらしく、少年の家に週2で通うようになったのでした。
読者からは「可愛くてほっこりで良い話」「コンが芸で無双する瞬間が最高」といった反響が。そこで作者であるきつねねねさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
『きつねいぬきつね』誕生のきっかけは大学のサークル?
―同作を描いたきっかけを教えてください。
私は大学で漫画研究会というサークルに所属しており、そこで「きつね」というお題で漫画やイラストを描く企画がありました。その企画に合わせて話を考えたのが、本作を描いたきっかけです。
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以前、きつねを飼いたいと思い、いろいろと調べたことがありました。その過程で、きつねは人間には懐かない動物だと知りました。そこで「きつね」というお題で漫画を描くことになったとき、「男の子が犬と間違えてきつねを飼い始めたら?」という話を思いつきました。
ストーリーとしては「懐かないはずのきつねが主人公のピンチで懐いた」という多少ベタな展開になっています。しかし、できるだけ自然に「お手」をしても違和感のない流れにすることを意識し、今の形にまとまりました。
―同作のなかで、特に注目してほしい場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。
きつねが、男の子が作った犬小屋で寝るシーンがお気に入りです。実は元々このシーンはなく、代わりにきつねがこっそりドッグフードを食べ、想像以上に美味しくて好物になる、というシーンがありました。前半のキツネがツンツンしすぎているように見えたので、少し心を許していることを伝えるためのシーンでした。
しかし、今の犬小屋のシーンに差し替えたことで、男の子は「犬を飼ってないといじめられるから」という理由だけで飼っていないこともさりげなく伝えることができたと思います。また、ドッグフードのシーンはギャグ寄りでしたが、犬小屋のシーンにすることで、キャラクターの心情をより自然に描けたと思います。
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―多くの反響が寄せられたかと思いますが、続編を書く予定はないのでしょうか?
気が向いたら描こうと思います!
―読者にメッセージをお願いいたします。
BOOTHにて、この『きつねいぬきつね』同様、動物が主人公のオリジナルの同人誌を2つ売っています。こちらも自信作なのでぜひチェックしてください!
(海川 まこと/漫画収集家)
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