ロッテの藤原恭大◆ 欠かせない活躍
「7年目ですけど期待されるのも最後の年かなと思っているので、ここで大活躍してロッテの顔になれるようにやっていきたいと思います」。
今年1月にこのように話していたロッテ・藤原恭大だが、苦しいチーム状況の中で、攻走守に欠かせない存在になってきている。
藤原は『1番・ライト』で先発出場した13日のヤクルト戦、1−1の2回一死一、二塁の第2打席、奥川恭伸が3ボール1ストライクから投じた5球目の外角のストレートを見送り四球を選び、続く寺地隆成の2点適時打に繋げた。
得点には繋がらなかったが、4−4の6回二死二塁の第4打席、田口麗斗が3ボール2ストライクから投じた6球目の外角のスライダーをしっかりと見極め、チャンスを広げた。
そして、先頭で迎えた4−4の9回の第5打席、「後ろにいいバッターの寺地がいたので、塁に出たらなんとかしてくれるかなと思ったので、ヒットで出れて良かったです」と、バウマンが3ボール2ストライクから投じた6球目の155キロのストレートをセンター前に運びチャンスメイク。
続く寺地の1ボールからの2球目に二塁盗塁を試み、一度はアウトと判定されるも、リクエストで判定が覆り二塁盗塁成功。山本大斗の打席中、1ボール2ストライクからの4球目が暴投となり二塁から三塁に進み、続く5球目も暴投でサヨナラのホームを踏んだ。
◆ 追い込まれてから引っ張ったあたりも
昨季規定打席に届かなかったものの、「シーズン通して同じことをやり続けて、それが結果に繋がったので、内容的に結果よりも内容が良かったかなと思います」と打率.290(23−167)をマーク。「ずっと課題にしていたことなので、シーズン通しては戦えていないですけど、この2、3ヶ月上がってきて、3ヶ月通して好不調の波がなかったのは初めてなので成長した部分なのかなと思います」と、大きな好不調の波がなく戦えた。
今季は3月28日のソフトバンクとの開幕戦で2安打すると、4月11日のソフトバンク戦で4安打し打率.526にするなど、「調子は悪いけど、なんとか頑張っているという感じですね」と、4月終了時点で打率.327をマークした。
5月に入ってからは、追い込まれてからセンターから逆方向の安打が多かった中で、22日のオリックス戦、5−0の6回二死一、二塁の第4打席、川瀬が3ボール2ストライクから投じた10球目のチェンジアップをライト前に適時打を放つなど、2ストライクから引っ張っての安打が増えてきている。「インコースが増えているので、状況見ながら打てているといいなと思います」と、その理由を説明した。
6月1日の日本ハム戦では、孫易磊の初球のストレートをライト前に弾き返す安打を放つなど、早いカウントからのヒットも出てきた。「状態が上がってきていると思うので、ここからもっと打率も上げていけたらなと思います」と話した。
◆ 盗塁
開幕直後はベンチスタートの時もあったが、6月1日の日本ハム戦から10試合連続でスタメン出場し、4日の巨人との交流戦初戦から9試合連続で1番に座る。1番打者として意識していることについて、「特にないですけど、出るか出ないかで変わるので、チームに勢いをつけられたらいいなと思います」と話す。
5月終了時点で2盗塁だったが、6月に入ってから4盗塁、現在3試合連続盗塁中と、“1番打者”として足でも貢献する。盗塁に関しても「もとから走りたいと思っていたので、サインが出たら走れる準備をしていきたいなと思います」と明かした。
「変わらず、やれることをしっかりやっていけたらいいなと思います。ずっと試合に出られるように、結果を残していきたいなと思います」。今季、目標に掲げる規定打席到達、打率3割、2桁本塁打を達成し、シーズンが終わった時に、自信を持ってチームの顔になったと言える活躍を見せて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太