宝塚記念に出走予定のレガレイラ(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、阪神競馬場で宝塚記念(GI)が行われます。
過去10年の宝塚記念はすべて梅雨時の6月に開催されています。そのため、ここ10年の宝塚記念は道悪での開催が目立ちます。今年も阪神競馬場のある近畿地方は梅雨入りが発表されていますし、週末は雨予報も出ており道悪での競馬になる可能性が高そうです。
過去10年の宝塚記念が道悪での開催となったのは5回。この5回で3着以内に入った馬を見ると、枠番に顕著な傾向が見られました。道悪となった5回で4枠以内に入った馬は1勝2着1回3着3回。それに対し、5枠以降の馬は4勝2着4回3着2回となっています。
これは道悪の影響に加えて、宝塚記念が開催の進んだ馬場で開催されることが多いことも理由のひとつとして考えられます。開催が進めば内目の馬場はダメージを受けますし、道悪になればさらに傷みが酷くなることから、外目の枠に入った馬に良績が集まっているのではないでしょうか。
今年の宝塚記念は開催が早まり開幕2週目での開催にはなりますが、馬場状態や傾向はしっかりと確認したいところ。仮に道悪での開催になった場合は外目の枠に入った馬に注目してみてはいかがかでしょうか。
天候が結果に大きな影響を及ぼしそうな宝塚記念で、はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。
◆春秋グランプリ制覇に期待
今週の宝塚記念でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるレガレイラでした。
週初の本命候補3頭には挙がっていなかった本馬ですが、その予想が一転しレガレイラに高評価が与えられました。
レガレイラは4歳の牝馬。過去10年の宝塚記念では牝馬が4勝2着2回3着4回と活躍しており、単勝や複勝の回収率は100%超えとなっていますので、このデータはレガレイラの好走を後押しする材料と言えるでしょう。
今回の宝塚記念での枠順は大外枠の8枠17番。道悪になった際に好成績を残している外枠に入ったこともプラスになりそうです。また、良馬場になった場合でもこの枠はレガレイラにとってプラスとなるはずです。この中間の報道で陣営はゲートを課題として挙げています。今回、大外枠が当たったことでゲート内に滞在する時間は短くなるでしょうし、良馬場での開催になったとしても、スタートに課題のある本馬には好材料と言えます。
これまでレガレイラの道悪でのレース経験は稍重で行われた24年のローズS(GII)のみ。このレースは1番人気で5着に敗れており、この結果を見ると道悪適性に疑問を感じる方もいると思います。しかし、ローズSは道悪よりもコース形態による枠順の不利が大きかったように思えます。
レガレイラが出走したローズSは中京芝2000mが舞台。中京芝2000mは外枠の馬が不利になる傾向があります。特に差し馬は距離のロスが大きくなるために苦戦しやすい印象があります。実際、この時のローズSも7着以内に入った馬の内、レガレイラを除く6頭は一桁馬番か4角6番手以内にいた馬でした。それに比べレガレイラは大外枠の8枠15番で4角は15番手。不利な枠順、展開不向きの中でも5着と掲示板を確保していることから、道悪が大きなマイナスになることはなさそうです。
23年のホープフルS(GI)や前走の有馬記念(GI)で優勝しているように、牡馬相手でも通用する能力があることは証明済み。その有馬記念後は右前第1指骨剥離骨折が判明し休養を余儀なくされ、今回が復帰戦となります。幸い、骨折の程度は重いものではなかったとのことですし、この中間は順調に調整が進められているようです。1週前追い切りに騎乗した戸崎騎手や陣営のコメントを見ても状態面に不安はなさそうです。この馬の力を出し切れる態勢に仕上がっているでしょうし、23年イクイノックス以来の春秋グランプリ制覇を期待したいところです。