入管収容巡り国に賠償命令=健康悪化、「国際条約に違反」―東京地裁
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2025年06月17日 20:01 時事通信社

不法滞在者の入管施設への長期収容は国際条約に違反するなどとして、トルコ国籍とイラン国籍の男性2人が国に計約3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。本多智子裁判長(舟橋伸行裁判長代読)は、収容期間の一部について「健康状態が顕著に悪化しており、条約と入管法に違反する」として計120万円の支払いを命じた。
判決などによると、2人は不法残留で2016〜20年に複数回、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容された。いずれも現在、仮放免中で、難民認定を申請している。
本多裁判長は、入管法に基づく収容は政府が批准した「自由権規約」の解釈に沿う必要があると指摘。その上で、2人がうつ状態になるなどした一部の収容期間について、「許容されない恣意(しい)的拘禁に当たり、入管担当者には過失があって違法」と結論付けた。
判決後に会見した代理人の小川隆太郎弁護士は「入管法の規定を自由権規約に適合する形で解釈すると判断した画期的な判決だ」と評価した。
出入国在留管理庁の話 判決の内容を十分に精査し、適切に対応する。
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