ジェネシスLMDhに向けた準備参戦はホイール脱落でリタイア。新人ふたりは「ミスを一切しなかった」とロッテラー

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2025年06月17日 22:40  AUTOSPORT web

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サルト・サーキットのマニュファクチャラー・ビレッジに置かれたGMR-001ハイパーカーとアンドレ・ロッテラー
 ル・マン24時間レースにLMP2クラスから出場したアンドレ・ロッテラーは、18号車オレカ07・ギブソンがホイールの脱落によりリタイアしたにもかかわらず、IDECスポールがジェネシス・マグマ・レーシングの将来のLMDhプロジェクトへの準備を支援するという「主な任務」を果たしたと感じている。

 IDECの2台、ジェネシスが支援する18号車と姉妹車である28号車は、6月14〜15日に行われたル・マン24時間レースの決勝中、いずれもコース上で右後輪が外れ、それぞれリタイアとなった。

 18号車は現地時間午前6時少し前にリタイアした。レース折り返し時点で4番手を走行していたロッテラーは、ミュルサンヌ・ストレートでストップした。一方、28号車は残り4時間を切ったところで森のエスのグラベルにスタック。当時は3番手を走っていた。

 アウディ時代にこのフランスの耐久クラシックを3度制しているロッテラーは、IDECからELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにフル参戦し、ジェネシス・トラジェクトリー・プログラムに参加しているジェイミー・チャドウィックとマティス・ジョベールとともに、18号車をドライブした。なお、チャドウィックとジョベールは今回がル・マン・デビューとなった。

 開幕2戦で2勝を挙げ、ELMSのLMP2クラスで首位に立つIDECの18号車は、ジェネシス・チームにとってLMDhプログラム前のテストベッドとなっており、来年2026年にWEC世界耐久選手権のグリッドに並ぶ韓国ブランドのGMR-001ハイパーカー・エントリーに先立ち、クルーはACO(フランス西部自動車クラブ)スタイルの競技に慣れることを目指している。

「もちろん、完走できれば良かったけどね」とロッテラーはSportscar365に語った。

「でも、僕らはすべてを学び、経験を積むためにここに来た。それが主な課題だった」

「良かったよ。このチームに関わっているメンバーが、ハイパーカー・チームにも参加する予定だ。これらすべては、僕らがこれから始める大きな旅の一部なんだ」

「それから、ジェイミーとマティスにとっては残念なことだった。彼らは初めてのル・マンを完走できなかった。僕らは好調だった。表彰台争いに加わり、2位につけていたが、ピットストップの際には順位が上下したね」

「レース中はリズムがどんどん良くなっていったけど、このような残念な結果となってしまった。それを変えることはできない」

 ジェネシスが支援するIDECのマシンは、予選の第1ステージでロッテラーが敗退し、LMP2クラス17台中14番グリッドに沈むという苦戦を強いられたものの、レースではトップ5圏内の確固たる地位を築いていた。

 ロッテラーは予選で「オーバードライブ」したことを認めたが、同クラスで優勝を争うチームに比べると直線速度では劣るものの、決勝仕様では18号車の方が競争力を発揮すると常に確信していたという。

「予選ではタイヤの使い方が分からず、少しオーバードライブしてしまったと思う」とロッテラーは説明した。

「ニュータイヤに期待しすぎたところ、コーナー立ち上がりが悪く、その後パフォーマンスが発揮できなかった。明らかに理想的とは言えなかった」

「ペースについては、全体的にあまり心配していなかった。マシンのフィーリングも良かったので、レースでも大丈夫だと分かっていた。マシンに乗っていて楽しかったし、プッシュもできた。夜間に4スティントをこなしたけど、良い感触だったね」

「全体的に、直線速度には少し苦労した。そこには何台かとても(スピードが)良いマシンがあったけど、それ以外はかなり差があり、僕らのマシンはどちらかというと中庸な感じだった」

「その点については、ドライビングを少し最適化しようと試み、とくにコーナー出口に集中した。そうすることで、ラップタイムを少し伸ばすことができたよ」

「でも、マシンのフィーリングは良かった。すべてが安定していた。ジェイミーもマティスも良いリズムを見つけ始めていた。レースを通して、さらに良くなっていったと思う」

 ロッテラーはまた、チャドウィックとジョベールのサルト・サーキット初参戦での活躍を称賛した。ふたりの若手ドライバーは、2027年にはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権も含まれるジェネシス・プログラムへの参戦を視野に入れている。

「彼らはミスを一切しなかった。初めてのル・マンであれは実に素晴らしい」とロッテラーは語った。

「ここは他とはまるで違う世界なんだ。彼らは着実にリズムを掴んでいたし、レースではあらゆる面で着実に進歩しているのが見て取れた」

「ル・マンでの経験を積むには絶好の機会だったと思う。そして、その経験を経て、彼らはより完成度の高いドライバーになったんだ」

[オートスポーツweb 2025年06月17日]

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