4位でフィニッシュ後、車検で失格となった50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ) フェラーリは、2025年のル・マン24時間レースで50号車フェラーリ499Pが失格となったことに対し、レース後の車検でリヤウイングに関する技術違反が発覚したにもかかわらず、「競争上の優位性は得られなかった」と反論した。
■「今回の裁定には驚いた」
50号車をドライブしたアントニオ・フォコ、ニクラス・ニールセン、ミゲル・モリーナの3人は、6月15日にサルト・サーキットで行われたWEC世界耐久選手権第4戦の第93回ル・マン23時間レースで当初4位を獲得したが、その順位を剥奪された。
これは、同車両のリヤウイングサポートがたわみ試験の基準を満たしていないことが判明し、さらに車両のホモロゲーションに基づき、リヤウイングサポートから4本のボルトが欠落していることが判明したもの。
スチュワード・ブルテンによると、チームのメカニックは当初、ボルトが1本しか欠落していないことに気付いたという。フェラーリは17日に発表した声明の中で、この事実を繰り返し強調した。
また、この声明は、50号車がウイングのたわみによってパフォーマンス面で有利になる可能性があるという主張を否定し、スチュワードの決定で言及された高い最高速度は、マシンが姉妹車のスリップストリーム(いわゆるトウ)を利用して走行していたためだと指摘した。
「スチュワードの報告によると、6月15日(日)午後3時23分、50号車の最後のピットストップ中に、フェラーリAFコルセのチームメカニックが、中央リヤウイング支持部を固定するボルトが1本だけ欠けていることに気づいた」と声明には記されている。
「当該部品の設計上、これらの部品が1本または複数本欠けていたとしても、マシンの安全性に何ら影響はなかった」
「レースの最後の37分間に残りのボルトが失われたことは、パフォーマンスや最終順位に何ら有利にはならなかった」
「スチュワードがその裁定で報告した50号車499Pの最高速度は、姉妹車である51号車499Pのスリップストリームを走行していた、最後の7周で記録されたものだ」
「今回の裁定には驚いたが、フェラーリはそのチームのプロフェッショナリズムと誠実さ、取られた措置、そしてFIA世界耐久選手権の規則遵守に全幅の信頼を置いていることを改めて表明する」
「問題のインシデントがクルーに競争上の優位性を与えたり、ドライバーや他の競技者の安全を脅かしたりしたわけではないが、フェラーリは7月にブラジルで世界的な注目を集めながら再開されるシーズンの次戦に向けて、すでに作業に取り組んでいる」
[オートスポーツweb 2025年06月17日]