
【動画】身動きのとれない閉塞感に思わず共感! 『テレビの中に入りたい』予告編
本作は、1990年代の米国郊外を舞台とした、自分のアイデンティティーにもがく若者たちの“自分探し”メランコリック・スリラー。
郊外での日々をただやり過ごしているティーンエージャーのオーウェンにとって、謎めいた深夜のテレビ番組『ピンク・オペーク』は生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。同じくこの番組に夢中になっていたマディとともに、2人は次第に番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていく―。
ポスタービジュアルは、本国版と同じく暗闇に光るテレビの中に今にも飛び込みそうな主人公オーウェンの背中が印象的なビジュアルのほか、日本オリジナル版は、テレビ画面の光に照らされたオーウェンとマディが夢中になってテレビに見入る表情とともに、その周りをテレビ番組『ピンク・オペーク』のキャラクターたちがとりまき、まさにテレビの中に入っているかのように印象的なビジュアルとなっている。
日本オリジナル版のイラストを担当したのは、写実的でありながら独特なタッチで人物を描き、若い世代を中心に人気を集めるアーティスト、雪下まゆ氏。両ビジュアルとも、デザインは本作に「心を撃ち抜かれた」と語る、大島依提亜氏が担当した。
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映画『テレビの中に入りたい』は、9月26日より全国順次公開。
※デザイナー・大島依提亜氏、イラスト・雪下まゆ氏のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■デザイナー・大島依提亜氏
映画好きならピンとくるであろう80〜90年代の映画への目配せも感じる本国のビジュアルに加えて、卓越した画力もさることながら、この映画に共鳴するかのような作品を発信し続けている雪下まゆさんの絵と、二つで一つのポスターで構成したい。初見で観ている時に思ってました。幸運にも雪下さんにご快諾頂き、見事にこの映画の世界観を表現して下さいました。
映画に限らず世界が“強い物語”を求められているこの時代において、取りこぼされてしまった無数の小さくて大切な何か。それら全てが、暗闇に淡く──しかし虹彩の輪郭をくっきりと浮かび上がらせては爆ぜるシャボン玉のようなこの映画に心を撃ち抜かれました。今年パワフルな映画を浴びてきた人にこそ観てほしい傑作です。
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10代の頃の自分は、周囲にうまく馴染めず、絵を描くことに逃げ場を求めていた。
この映画は、当時の自分のような若い世代や、似たような青年時代を過ごした大人にこそ観てほしいと思った。
歳を重ね、周囲に擬態する術を身につけた自分を、主人公に重ねて観ていた。