東京国税局の強制調査でスーツケースの中から見つかった現金1億円(国税庁提供) 全国の国税局が強制調査(査察)し、2024年度に刑事告発した脱税事件の総額が、前年度比約7億円減の82億3000万円に上ったことが18日、国税庁のまとめで分かった。告発件数は同3件減の98件だった。
国税当局は消費税や国際取引を巡る脱税のほか、無申告に対する取り締まりを強めている。高級腕時計の輸出販売を装うなどして、不正に消費税の還付を受け告発された件数は過去10年で最多の17件となった。
国税庁によると、調査に着手した件数は151件(前年度比3件減)で、告発に至らなかった分も含めた処理件数は150件(同1件減)。告発率は65.3%(同1.6%減)だった。
脱税で得た不正資金は、海外カジノなどのギャンブルに使われたり、自宅に置かれたスーツケースの中に現金1億円を詰めて隠したりしていたという。
脱税事件で24年度中に一審判決が出た99件で全て有罪が言い渡され、実刑判決は13人だった。