


両親も橘ケンとは20年ぶりの再会です。最初は多少ぎこちなかったものの、お互いに積もる話もあるようでした。しかし私がベンチに座ってイルミネーションに見とれている間、私には聞こえないようこんな会話が繰り広げられていたのです。



どうやら久々の再会に話がはずんでいるようです。けれどベンチの後方で少し離れて会話している3人の声は、座っている私には聞こえません。「ねぇ、何の話しているの?」私は上半身をねじって顔を後ろに向け、そう声をかけました。



両親は私が橘ケンと会うことを良く思っていないようでした。なんとなくそれは伝わってきましたが、私は止められませんでした。私の身体を不自由にした橘ケンが、私の外出をサポートしてくれるのは当然のこと。和解した2人が一緒に遊びに行くなんて、むしろ素晴らしい話だろうと思っていたくらいです。
キラキラ輝くイルミネーションを見ていると、夢見心地になりました。こんなにステキな世界があっただなんて……。きっと私にはもっと知らない世界があるはず。そして私は「泊まりでのお出かけ」を持ちかけたのです。両親も一緒なら何の問題もないはず。
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【第18話】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子