陸上の世界選手権(9月13日開幕、東京・国立競技場)の代表選考を兼ねた日本選手権(7月4日〜6日、東京・国立競技場)に出場するサトウ食品新潟アルビレックスRCの選手5人が19日、公開練習を新潟市陸上競技場で行った。昨年のインカレ男子円盤投げ優勝の北原博企(22)は、社会人になって最初の日本選手権。昨年の4位を上回る3位以内を目標に大舞台に臨む。
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円盤の感触を確認しながら、北原はリラックスした様子で投てきを繰り返した。ハンマー投げ男子の中川達斗(26)と会話しながら、自分のペースで回数を重ねた。
日本選手権の目標は「3位以内」と言う。昨年は3度目の出場で自己最高の4位。「それは超えたい。社会人なのでメダルがほしい」。新潟医療福祉大4年だった昨年はインカレを54メートル54で制し、日本学生個人選手権では自己ベストで学生歴代2位になる59メートル95で優勝した。「天候が整っていれば60メートルはいける」と学生王者だった昨季の記録更新にも自信をのぞかせた。
4月から新潟綜合警備保障に勤務。事務に携わり終業後に練習する。毎朝午前8時から勤務のため、授業のない前日は午後9時まで自主練習をしていた学生時代のようにはいかない。翌日の勤務を考え、午後7時には切り上げる。4、5月はそんな環境の変化に戸惑っていた。
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日本選手権を前に、それも解消されてきた。基礎的な技術練習と筋トレの時間は「何があっても毎日確保するようにした」。試合のない土曜日は丸1日、練習に費やす。日々のトレーニングのペースをつかんできたことで、右足を投げる方向にしっかり向けるなど、技術面の修正にも取りかかれるようになった。
昨年までの日本選手権はがむしゃらに挑んでいた。今年は意識が違う。「社会人は順位も記録も残さなければならない」。自己ベストでのメダル獲得に「失敗は許されない」と表情を引き締めた。【斎藤慎一郎】
◆北原博企(きたはら・ひろき)2002年(平14)11月20日生まれ、新潟県新発田市出身。新発田南3年の時にU18日本選手権円盤投げ3位。新潟医療福祉大に進み、4年のインカレ、日本学生個人選手権で優勝。190センチ、110キロ。
【サトウ食品新潟アルビレックスRCメンバーの日本選手権の抱負】
◆男子走り高跳び・長谷川直人(28) パリ五輪に出られなかったリベンジの意味でも、世界陸上に出たい。そのためにも日本選手権は初優勝を狙う。
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◆男子ハンマー投げ・中川達斗(26) 初の日本代表でアジア選手権2位と、今季前半のいい流れに乗り、世界陸上出場に向けてベストパフォーマンスをする。
◆男子110メートル障害・町亮汰(24) 日本選手権で結果を出すのが1つの目標。国立で初めて走るので、期待を感じながら自分のレースをしたい。
◆女子円盤投げ、砲丸投げ・郡菜々佳(28) 女子円盤投げは最初の決勝種目。自己ベスト更新と優勝で、世界陸上出場に向けて弾みをつけたい。
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