ガソリン税暫定税率廃止法案を可決した衆院本会議=20日午後、国会内 第217通常国会は20日、会期末の22日を前に事実上閉幕する。与野党は「7月3日公示、20日投開票」の日程で行われる見通しの参院選へ臨戦態勢に入る。昨年の衆院選に敗れた石破茂首相(自民党総裁)は政権維持が懸かる。野党は衆院に続き、参院でも与党の過半数割れを目指す。
消費税減税や現金給付など物価高対策が最大の争点。「政治とカネ」の問題や選択的夫婦別姓制度も含め、与野党の激しい論戦が交わされそうだ。
立憲民主党など野党7党が共同提出したガソリン税の暫定税率廃止法案を巡り、与野党は20日も攻防を続けた。衆院財務金融委員会の阿久津幸彦委員長(立民)が職権で採決を決め、立民や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決。衆院本会議でも可決し、参院に送付された。自民、公明両党は反対した。
これを受け、自民、立民両党の参院国対委員長が協議し、20日の参院本会議で趣旨説明と質疑を行うことで合意。21日に財政金融委員会を開いて審議することも議論している。参院は自公が過半数を占めるため、成立の見通しは立っていない。
立民の重徳和彦政調会長は20日の参院本会議で趣旨説明し、「与党に任せていたらいつまでたっても廃止できない。国民生活を支えるため建設的な意見を賜りたい」と訴えた。自民の船橋利実氏は「代替財源確保の見通しなしに廃止するなら無責任だ」と批判した。
参院選は選挙区74、比例代表50の計124議席が改選され、東京選挙区で非改選の欠員1を補充する「合併選挙」と合わせ、計125議席を争う。

各党へのあいさつ回りをする石破茂首相(中央)=20日午後、国会内