経産省、輸出ルールの省令改正へ 大川原冤罪で警視庁が拡大解釈
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2025年06月20日 19:53 毎日新聞

輸出規制の対象となる噴霧乾燥器の要件を定めた経済産業省の省令。「内部の減菌又は殺菌ができるもの」との記載があるが、殺菌方法を限定しておらず、解釈の余地が生まれた=2024年6月11日、遠藤浩二撮影 警視庁公安部による大川原化工機冤罪(えんざい)事件を巡り、経済産業省は、輸出規制ルールを定めた省令を改正する方向で検討を始めた。国際基準の内容に合わせる見通しという。経産省が20日、取材に明らかにした。
警視庁公安部は省令を独自に拡大解釈し、国際基準に沿えば輸出が問題にならない大川原の製品が輸出規制品にあたると判断。社長らを不正輸出容疑で逮捕した。
省令の文言が曖昧だったことに原因があり、捜査を違法と認定した東京高裁判決(5月28日)は公安部の独自解釈を「合理性を欠く」と断じた。
経産省によると、福永哲郎・貿易経済安全保障局長が18日に大川原に出向き「判決を重く受け止める。省令の改正、見直しの検討を進める。大川原さんにも協力をお願いしたい」と伝えたという。【遠藤浩二】
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