NHKドラマが良作だらけ、朝ドラ大河以外にも“好評連発” 背景に「民放にはない強み」

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2025年06月21日 20:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

朝ドラ『虎に翼』では華族の令嬢・桜川涼子を演じた桜井ユキ

《観るクスリとはまさにこのこと…1話1話が心身に染み込むようでとても癒されました》

《あったかくて本当に薬膳みたいに心や身体にじんわり効くような美味しさの詰まったドラマだったなぁ》

 とSNS上で好評の声が集まったのは5月27日に最終回を迎えた『しあわせは食べて寝て待て』(NHK)だ。

日本の“今”を捉えたNHK

『しあわせは〜』は、38歳で独身の麦巻さとこ(桜井ユキ)が膠原病という自己免疫疾患になり、正社員の仕事を辞めることになる。食事で体調を整える薬膳に出合い、薬膳料理を作りながら、団地での人間関係を通して心身を取り戻していくというストーリー。

「病気との付き合い方、しんどい自分の癒し方を教わったり、薬膳料理のレシピを知ることができて、女性に支持されたドラマだと思います」

 と話すのはドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。

 NHKドラマといえば、大河と朝ドラのイメージが強いが、それ以外のドラマも評価が高い。

NHKのドラマはテレビ局の中でテーマがいちばん多彩だと思います。予算が潤沢でロケも多く、『しあわせは〜』も団地で実際に撮っていますし、丁寧にこまやかに作っていると感じます。『しあわせは〜』は薬膳が一つのテーマになっていますが、最近は身体にいいレシピ本が売れていて時流に合っており、日本の“今”を捉えるのがNHKは上手だと思います」(カトリーヌあやこさん、以下同)

民放にはない視点

 この1年間のNHKドラマで特によかった作品は?

『燕は戻ってこない』という桐野夏生さんの同名小説が原作で、代理母出産がテーマのドラマです。元バレエダンサー・基(稲垣吾郎)の妻・悠子(内田有紀)は不妊ですが、基は子どもがどうしても欲しい。派遣社員のリキ(石橋静河)は貧困から抜け出すため、高額な報酬に惹かれて夫婦の代理母を引き受ける─という、社会問題や欲望に振り回される人々が描かれました」

 他にも、『東京サラダボウル―国際捜査事件簿―』は外国人による犯罪がテーマで、『宙わたる教室』は定時制高校の科学部が舞台。民放にはあまりない、NHKならではの視点だという。

「これまで挙げたドラマはどれも原作がありますが、よくこの作品を見つけてくるなと思うほど。原作選びの力がNHKは優れていると思います」

 6月17日、地上波初放送開始で池田エライザが主演する『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』、6月21日からは、綾瀬はるか主演の『ひとりでしにたい』が始まる。

「『舟を編む』は辞書作りがテーマで、映画化もされましたが、ドラマでは時代設定が変わって、コロナ禍での辞書作りになります。パンデミックやクラスターなど新しい単語が多く生まれ、これを辞書に入れるべきなのか、言葉と向き合うというあまり他では見られないドラマになっています。

『ひとりでしにたい』は、30代後半独身女性の終活がテーマ。面白い設定で、学べる点が多いドラマになるのではないかと期待しています」

 “ドラマのNHK”と言われる日も近い!?

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