
冷凍弁当のメリット……栄養バランスと安全性の高さ。食品ロス軽減にも一役
現在の冷凍弁当は、管理栄養士が監修しているものや、ダイエットや筋トレなど食べる人の目的に特化したものなど、さまざまな種類があります。1つずつのお弁当で見ると、栄養バランスが考えられているものが多い印象です。また、安全面にも配慮されています。冷凍食品は-18℃以下での保存が義務付けられているため、雑菌の繁殖を抑えられます。結果的に、保存料が使われていない商品も多いです。その他の食品添加物は必要に応じて使用されていますが、量の規定が守られていれば、体への安全性としても特に問題はありません。
一人暮らしの人の場合、1人分を用意すると食材を余らせてしまうこともあると思いますが、一回ずつ食べきれる冷凍弁当なら、食品ロスを減らすこともできます。
また、冷凍すると栄養や味が落ちるのではという心配もあるかもしれませんが、保存状態に問題がなければ、2〜3カ月は栄養もおいしさも維持できます。旬の野菜を冷凍したおかずば、旬ではない時期の野菜より、冷凍の方が栄養価が高いケースもあるほどです。
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冷凍弁当のデメリット……食材・料理法の種類と、偏食になりやすい点が課題
一方で、デメリットを挙げるとすれば、一般的な食事に比べて、食材や料理法のバリエーションがまだ少ない点でしょう。種類が増えてきているとは言え、通常の献立の多様さに比べると、まだ十分な量とは言えません。中長期的に見ると、栄養バランスが崩れやすい面があります。また、家族で食事をする場合も、それぞれが食べたいメニューを別々に選べます。メリットと思われそうですが、好きなメニューばかり選んでいると、知らず知らずのうちに偏食になってしまいます。結果として、栄養バランスが悪くなってしまうことがある点には、注意が必要です。
メリットもデメリットもありますが、冷凍食品は上手に利用すればメリットが大きいため、生活スタイルに合わせて賢く活用してください。
■参考
・一般社団法人 日本冷凍食品協会
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。(文:平井 千里(管理栄養士))
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