東京都議選の開票を見守る自民党の木原誠二選対委員長(左)と井上信治都連会長=22日夜、東京・永田町の同党本部 自民党は22日の東京都議選で、第1党の座を失い、現有30議席(無所属含む)も維持できなかった。長引く物価高や、党派閥に続き都議会会派でも発覚した裏金問題が影響したとみられ、7月の参院選へ危機感が広がった。一方、立憲民主党や国民民主党など、国政の野党は手応えを感じている。
昨年の衆院選で、自民は裏金問題が直撃し大敗した。都議会でも、政治資金パーティー収入の不記載が発覚。関与した幹事長経験者6人の公認を見送るなど、なりふり構わず影響回避に努めてきた。
物価高対策に関しては、石破茂首相(党総裁)が告示日の13日、参院選公約に「2万円給付」を盛り込むと発表。政権幹部は「都議選への効果も期待した」と狙いを明かす。党重鎮は「現有議席を上回れば参院選へ追い風になる」と指摘したが、思惑通りの展開にはならなかった。
自民は12年に一度、タイミングが重なる参院選の「先行指標」として、都議選を重視してきた。井上信治党都連会長は22日夜のNHK番組で、裏金問題などの影響に触れ、「非常に厳しい結果だ」と認めた。
野党側は、立民の野田佳彦代表が連日のようにてこ入れ。定数1〜3人の選挙区で共産党と事実上すみ分けた。現有12議席から上積みし、手塚仁雄幹事長代行はNHK番組で「この勢いを参院選で全国に届けたい」と強調した。
現有ゼロの国民民主は、初めての議席を得た。ただ、備蓄米に対する玉木雄一郎代表の「餌」発言や、山尾志桜里氏の参院選擁立を巡る迷走で批判を浴び、党内には不安も残る。

東京都議選に関し、インタビューに臨む立憲民主党の手塚仁雄幹事長代行=22日夜、東京・永田町の同党本部

東京都議選で初議席を獲得し、候補者名に花を付ける国民民主党の礒崎哲史都連会長(中央)ら=22日夜、東京都千代田区