優勝目前のレースを「台無しにされた」とエイトケン。キャデラックの同門WTRは采配ズバリ

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2025年06月23日 18:00  AUTOSPORT web

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2023年以来の勝利まで“あと1周”足りなかった31号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレン) 2025年IMSA第6戦グレン
 ジャック・エイトケンは、6月22日にニューヨーク州で行われた『サーレンズ・グレン6時間レース』の結果を大きく覆した終盤の一連の出来事において、アクション・エクスプレス・レーシングが運営する31号車キャデラックVシリーズ.Rが「惜しくも優勝におよばなかった」と考えている。

 キャデラック・ウェーレンの31号車はレース序盤の逆境から立ち直り、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第6戦として行われた一戦で最多となる71周をリードしたが、トップを走るアール・バンバーが残り1周でガソリン補給のためにピットインを余儀なくされたため、2023年のセブリング12時間レース以来の勝利にあと一歩およばなかった。

 31号車キャデラックは、レース終了まで10分を切った時点で10回目のフルコースコーション(=SCラン)が発令される前に、GTP上位陣の大半と同様に終盤のスプラッシュ・アンド・ゴーを計画していた。

 SCランの後、残り3分で再スタートが切られると、2番手につけていたニック・イェロリー駆る93号車アキュラARX-06(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング)がスプラッシュのためピットインした。一方のバンバーはステイアウト。しかし31号車もファイナルラップを知らせるホワイトフラッグを受ける直前にピットインを余儀なくされ、彼とコドライバーのエイトケン、フレデリック・ベスティのトリオは最終的に5位という結果に終わった。

「見ていて本当に辛かった」とエイトケンはSportscar365に語った。「今日、僕たちのクルマは一番速かった。そこで勝利を逃すと、どうしても受け入れがたい気持ちになるものだ」

「最後を除いて本当に良い週末だったと思う。アール(・バンバー)は素晴らしい仕事をしてレースを終えた。彼は暑いなか、力強く走り切り、燃料セーブの面でも本当に素晴らしい働きをしていた。でも、残念ながら僕らはあと一歩およばなかった」

「悔しいけれど僕たちはできることをした」

 エイトケンは、最終的にレースを制したトム・ブロンクビストとコリン・ブラウンの60号車アキュラARX-06の燃料セーブを称えつつも、ラスト10分でコーションが出ていなければレースの結果は違っていたと考えている。

「60号車は明らかに素晴らしい仕事をしたが、多くのチームは同じ状況だったと思う」と彼は語った。

「何人かのドライバーは、SCが出る直前、あるいはもっと早い段階で最後の給油を行う賭けに出たが、結果的にそれは賢明な判断だった。ただ、僕たちがそうできる状況だったかどうかは分からない」

「レースをリードしているときは、つねに判断が厳しい。通常、そういった賭けに出れば、失うもののほうが大きいものだ」

「僕に言わせれば、自分たちが考えていたとおりにレースを進めていたのに、幸運の女神がちょうどいいタイミングでイエローフラッグを掲げ、レースを台無しにしてしまったんだ」


■同じキャデラック陣営で明暗分かれる

 ルイ・デレトラズのドライブで、60号車アキュラに次ぐ2位でフィニッシュした40号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェイン・テイラー・レーシング)は、上位陣とは異なる戦略でレースを進め、残り約40分のグリーンフラッグ下で最後のピットストップを行った。

「最後は自分たちがどこにいるのかよくわからなかった」とデレトラズは語った。

「いろいろなことが起こっていたんだ。でも、前にいるクルマよりも燃料がたくさん残っていたし、彼らの前に出るチャンスがあることは理解していた」

「僕たちはかなり速かったと思うが、結局のところレースのカギは早めのピットストップだった。ポジションをずらしてペースを上げることができたんだ」

 デレトラズとチームメイトのジョーダン・テイラーにとって、この2位は今季ベストリザルトとなった。

「チームは最後に素晴らしい判断を下した。ルイ(・デレトラズ)をクリーンエアに入れるために、少し順番をずらしてピットインしたんだ」とテイラー。

「もし、レースがグリーンのまま進んでいたとしたら、おそらく4位まで順位を上げられただろう。いずれにしても直前のリスタート時と比べて状況は改善していたはずだ」

「僕たちは最後のイエローのあと2番手に浮上し、姉妹車の10号車はイエローの直前にピットインしたことで3位を得た。それぞれの好判断のおかげでうまくいったと思う」

「WTRにとって2台体制での初のダブル表彰台獲得は素晴らしいことだし、キャデラックにとっても2台が表彰台に上がれたのは、明らかに良いことだ」

「今年は不運に見舞われることが多かったから、ようやく転機を迎えたと感じている。この勢いが残りのシーズンも続くといいね」

[オートスポーツweb 2025年06月23日]

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