吉沢亮/『国宝』大ヒット御礼舞台挨拶映画『国宝』大ヒット御礼舞台挨拶が6月23日(月)に東京・新宿“歌舞伎”町にて行われ、主演の吉沢亮ならびに李相日監督が登壇した。6月22日(日)までの公開17日間で、観客動員152万人、興行収入21.4億円を突破しており、口コミで伸び続けている本作。その熱狂度合いは吉沢にも届いているという。「今までにないくらい、知り合いからの連絡をたくさんいただいて。一番うれしかったのは同い年の役者から“やっぱり役者ってかっこいい仕事なんだと改めて思った”と。非常に僕自身もぐっとくるものがあって、うれしかったです」と感謝とともに、喜びをかみしめていた。
映画『国宝』は、吉田修一氏が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし書き上げた同名作が、『悪人』『怒り』に次いで李監督によって映画化。この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄(吉沢)は、任侠一門の抗争によって父を亡くす。その後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。半二郎の息子・俊介(横浜流星)とともに、ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが運命の歯車を大きく狂わせてゆく。
演じた喜久雄と重なるところはあるかと聞かれた吉沢は、「別にないんですけど…、お芝居しかない感じというか。僕もそこまでは言わないけど、お芝居しているときが一番楽しいし一番苦しい気持ちにもなる。一番生きているなと実感するのはお芝居の瞬間なので、理解はできるなという部分はありました」と役に思いをはせた。
喜久雄がビルの屋上で舞うシーンなどに、李監督は「見事でした」と言及。本作を撮る前と撮った後で、吉沢への印象に変化はあったかと聞かれた李監督は「ないですよ」と即答した後、「ないといえば語弊はあるけど、まだ隠しているとは言わないけど、何かまだあるんでしょう? と常に思わせるのは変わらない。底(が見えない)かなと思うと、また別の扉という感じで。非常に面白い人だなと思っています」と俳優としてのポテンシャルの高さを語った。
評された吉沢はと言うと、「僕は別に何も隠していないですけど(笑)」と照れ笑い。長らく李監督作品に出演したいと言っていた吉沢だが、「すごく覚悟して現場に入ったんです。(怖いとは)逆ですごく愛情を感じる。ものすごく目の前にどでかい壁を立てられるんですけど、おまえなら超えられるよね、と絶大なる信頼もともに寄せながら与えてくれる感じ。困惑はするけど、絶対乗り越えてやろうという気にもなる。そういう意味での安心感は半端ではなかったです」と充実の表情で振り返った。
映画『国宝』は全国にて公開中。
(シネマカフェ編集部)