大河で知名度がはねたミニシアター系バイプレイヤー 毎熊克哉がつかんだモチベーション 「映画館が応援してくれる俳優になりたい」

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2025年06月24日 11:10  まいどなニュース

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大河ドラマ出演の反響を語る、毎熊克哉(撮影:石井隼人)

遅咲きの新人と言われて早10年。今では街中で「大河見たよ!」と声をかけられるようにまでなったが…。俳優の毎熊克哉(38)は来る40代に向けて、兜の緒を締めている。

【写真】7月4日公開『「桐島です」』ポスタービジュアル

本当に言われた「大河!」

「その年代それぞれのお芝居の重さというものがあるとするならば、次の40代に向けてスキル的にも質的にもアップグレードさせなければ」

専門学校時代の友人・小路紘史が監督した自主映画『ケンとカズ』(2015)に初主演し、数々の俳優賞を受賞。当時30歳を目前にした遅咲きの新人として注目を集め、活動の場も広がった。2024年放送の大河ドラマ『光る君へ』の直秀役といったらピンと来る人も多いだろう。当人も放送後の大きな変化を肌で感じている。

「やはり大河は凄いです。映画のキャンペーンで地方に行ったりすると『大河見たよ!』と言われることが本当に多くて。ドラマのタイトルじゃなくて『大河』って本当に言われるんだと…。それに対する驚きがあります」

ミニシアター系映画の世界で名バイプレイヤーとして研いできた刃の鋭さが今、試されるようになってきた。遅咲きの新人などと言われたのも今は昔。大作や話題作で重要な役回りを任される事も増え、今年2025年は2本の主演映画が公開。『「桐島です」』(7月4日公開)では、49年にも渡る逃亡生活の末に死んだ活動家・桐島聡容疑者の半生を演じた。

映画館で触れたぬくもり

現在38歳。年齢的にもキャリア的にも油の乗ったいい時期だからこそ、若い頃のようにただガムシャラに突き進むというわけにはいかない。質を落とさず、時に器用に立ち回る事も必要だろう。

しかしその面構えからわかるように、毎熊は不器用な人間だ。

「一昔前の若い頃だったら俳優の仕事自体が少なかったので、頂いたお仕事に対して全集中でぶつかっていったけれど、今はそうはいかない。取り組み方を見直していかないと。でもそのやり方がわからない。そもそも演技自体に正解や答えなどないわけですから、やればやるほど難しい」

突破口になりそうな経験を去年した。自身がプロデューサーを務めた自主製作映画『東京ランドマーク』が6年越しの公開に漕ぎつけたのだ。元々映画監督志望だった毎熊の「自分で映画を作って上映する」という幼少からの夢を実現した形。プロデューサーとして映画に関わることで、俳優だけでは触れえなかったぬくもりに何度も触れたという。

「俳優の役割は撮影現場で終わってしまいがちだけれど、作品が流れ着く場所=映画館には、良い作品を観客に見せたいという思いで関わっている人たちが沢山います。映画館それぞれに俳優さんとの思い出があったりして、『この席に高倉健さんが座りました』とか嬉しそうに教えてくれる。映画が娯楽のトップではない今の時代において、各地で映画館を運営してくれる人たちがいるという事実。それを目の当たりにした時に、自分は“映画館が応援してくれる俳優”になりたいと思いました」

40代突入を目前にして、毎熊は大きなモチベーションを手に入れた。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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