

もう推しの話どころではありません。ミサトは俺に問いかけます。「私は一生懸命小さな命を育てて、親としての経験値を積んできたのに。あなたはどうだった? いつも私に任せる前提で、親の役割を放棄してきたじゃない」

ミサトの言うとおり、手元のスマホで知りたいことは簡単に検索できます。アイドルのことは必死でサーチするのに、子育てについては知ろうともせず……。理由をつけてミサトに押し付け、都合の悪いことは聞き流していたのです。

俺が熱心にアイドルを調べているそのスマホで、子育ての情報だって調べられる……。そこを突かれると返す言葉がありません。目の前の自分の子どもには見向きもせず、スマホの画面に映る他人に夢中になっている俺に、ミサトは呆れかえっていたのでしょう。
面倒なことをのらりくらりかわしてきた俺は、自分の気持ちを最優先にしていました。いっぽうで清水さんは、いつなら飲み会に行けるか「奥さんに確認する」と言っていました。自分ファーストな俺と、家族ファーストな清水さん。そりゃ奥さんの対応も変わるはずです。俺はようやく自分の間違いに気づいたのでした。
【第10話】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・煮たまご 作画・マメ美 編集・井伊テレ子
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