
Q. 足の付け根にしこりがあるのに気づきました。がんでしょうか?
Q. 「お風呂で体を洗っているとき、右足の付け根にしこりができているのに気づきました。太ももの内側の付け根あたりです。痛みはありませんが、左足には何もないので不安になってきました。がんの可能性があるのでしょうか? 何科を受診すればいいですか?」A. がんの可能性は低いです
足の付け根のしこりは、多くが「一時的なリンパ節の腫れ」です。リンパ節は体内の免疫を支える器官です。風邪やけが、虫歯などがある場合、炎症が起きている部位に近いリンパ節が腫れることは、珍しいことではありません。特に足の付け根は体表に近いため、リンパ節の腫れに気付きやすい部位です。しこりの大きさは1〜2cm程度が多く、指で触ると動く、柔らかいものが一般的です。このようなしこりは、多くは時間の経過とともに自然に小さくなっていきます。
一方で、もちろん注意すべき危険なしこりもあります。
・しこりが次第に大きくなっていく
・しこりが硬くて、指で触れても動かない
などの変化が見られる場合、炎症以外の原因が考えられます。頻度としては高くはありませんが、がんの可能性も否定できません。このような場合には、早めに医師の診察を受けることが大切です。部位にもよりますが、まずは皮膚科を受診されるのがよいでしょう。
不安が続く場合やしこりの状態が気になる場合は、自己判断しないことが大切です。
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狭間 研至プロフィール
大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。(文:狭間 研至(医師))