Q. 「天日塩は血圧が高い人にも安心で、体にいい」って本当ですか?

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2025年07月01日 20:50  All About

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【管理栄養士が解説】精製塩と天日塩は製法が違います。ミネラル含量が異なる分、味の深みも変わります。一方で、天日塩の方が体によく、血圧が高い人にも安心という説は疑問です。分かりやすく解説します。

Q. 「天日塩は血圧が高い人にも安心で、体にいい」って本当ですか?

Q. 「最近、親が天日塩(てんじつえん)を愛用しています。一般的な塩よりもかなり高価なようですが、『高血圧の人にもいいらしい』『普通の塩より体にいい』と話して、私にも勧めてきます。実際に天日塩は、健康にいいのでしょうか?」

A. 製法の違いでミネラル豊富ですが、塩は塩です。取り過ぎないよう注意を

普通の精製塩と天日塩の違いは、その製法にあります。精製塩は、海水から食塩の主成分である塩化ナトリウムだけを取り出し、濃縮したものです。天日塩は、海水から不純物を取り除いたものを濃縮して作られています。

そのため、天日塩の場合、主成分は塩化ナトリウムですが、マグネシウムやカリウム、亜鉛、カルシウムなどのナトリウム以外のミネラルも含まれています。天日塩のほうが味に深みを感じるのは、これらのミネラルによるものです。

体によいといわれる理由は、天日塩に含まれるミネラルの種類や量によります。種類豊富なミネラルが含まれている点では、健康によい影響を与えてくれる可能性はあるでしょう。ただし、天日塩に含まれるナトリウム以外のミネラルは数パーセント程度です。あまり過度な期待はしないほうがよいと思います。

そして天日塩といっても、塩は塩です。「天日塩ならば高血圧にならない」「血圧が心配な人は天日塩がいい」といった説もまことしやかにささやかれているようですが、天日塩もナトリウムを多く含んでいます。

塩であることには変わりませんので、高血圧にならないとは言えません。体によいと考えて、塩分を取り過ぎてしまうのは危険です。天日塩を選ぶ場合も、塩分の取り過ぎには注意して、適切な量でおいしく楽しまれるのがよいでしょう。

■参考
・公益社団法人 塩事業センター 塩百科

平井 千里プロフィール

メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
(文:平井 千里(管理栄養士))

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