FIA会長選にティム・メイヤーが立候補へ。元F1スチュワードで、ビン・スライエム会長に解雇された人物

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2025年07月04日 15:50  AUTOSPORT web

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F1スチュワードを務めたティム・メイヤー(2024年F1シンガポールGP)
 ティム・メイヤーが、F1イギリスGPのFP1が始まるわずか4時間前に、シルバーストン近郊で開催する記者会見で、FIA会長選に立候補することを発表する予定だ。メイヤーはマクラーレンの元チーム代表テディ・メイヤーの息子で、アメリカのインディカー、アメリカン・ル・マン・シリーズ等で上級職を歴任し、またF1を含むFIAの多くの選手権で15年間にわたり、スチュワードを務めてきた。

 この発表がイギリスで行われること、また、その発表をモータースポーツUK会長であり、プロドライブの創設者であるデビッド・リチャーズと密接な関係のある人物が取り仕切るということは、メイヤーがリチャーズの全面的な支持を得ていることを示している。また、モハメド・ビン・スライエムの任期が始まった頃からリチャーズは、大多数のヨーロッパのクラブや連盟と団結しているため、メイヤーはそれらの団体を代表する候補者であるともいえるだろう。

 リチャーズはビン・スライエムの対抗馬として出馬する準備を進めていたが、連盟が規則を変更し、70歳以上の候補者が会長選へ立候補できないようになった。そのため、リチャーズは同盟者らと協議し、全員が納得できる候補者を見つけようとした。

 メイヤーは、F1の上級スチュワードを務めてきたが、ビン・スライエムと衝突する事態に陥り、昨年、グランプリの週末のすべてのイベントで審判を務める常任スチュワード委員会から解雇された。メイヤーが運営するクラブが、FIAが科した罰金に対するアメリカGP主催者の控訴を支持したことにビン・スライエムは激怒し、直ちにメイヤーを連盟におけるすべての役職から解任したのだ。

 こうした経緯から、メイヤーはビン・スライエムと対立する立場にあったため、FIA会長職への彼の立候補は自然な流れだった。リチャーズとその同盟者は積極的に彼のために選挙運動を行い、できるだけ多くのクラブや連盟の支持を集めようとした。

 カルロス・サインツSr.もFIA会長選への出馬を検討していると発表したことで、メイヤーの計画が混乱に陥る可能性があったが、サインツは次の選挙まで計画を延期することを決めた。彼はヨーロッパやラテンアメリカ諸国からの支持を確実に集めることができたが、メイヤーが自分よりもはるかに多くのクラブや連盟の支持を得ていることに気付いたからだ。

 一時、候補と考えられたアレクサンダー・ブルツは、チャンスがないことをすぐに理解し、そこまで進むことはなかった。

 リストを発表するための新たな期限が迫っていることから、メイヤーはこれが自身の意図を発表する適切な場所であり時期であると判断したようだ。

 一部のクラブが発表した声明から、ビン・スライエムは中南米のクラブ、中東代表の大半、およびアフリカのクラブの約3分の1から多大な支持を得ていることは明らかだ。一方メイヤーは、ほぼすべてのヨーロッパのクラブ、多くのアフリカのクラブ、北米、およびオセアニアのクラブを味方につけるだろう。問題は、アジアで誰が最も多くの支持を得るかということであり、それがこの選挙の勝敗を決める要因になると思われる。

 メイヤーの記者会見によって、さらなる詳細が明らかになる見込みだ。

[オートスポーツweb 2025年07月04日]

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