5日、6日の山の天気 梅雨明けしている西日本中心に晴天 湿った空気で天気二分

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2025年07月04日 16:52  日本気象協会

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今週末は気圧の谷の通過の影響を一時的に受けますが、夏の高気圧の勢力が強いため、梅雨明けしている西日本や東海地方を中心に、中部山岳でも晴れる山岳が多い見込みです。一方、湿った空気の影響を受ける東北の日本海側や北陸の山では雲が広がりやすいでしょう。上空の高いところまでかなり気温が高くなっているため、低山だけでなく高山でも熱中症に注意してください。

衛星画像 実質的な梅雨前線は北日本に停滞

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まず雲の様子を見てみましょう。台風3号が小笠原諸島の北にあって北上しています。本州付近には太平洋高気圧が大きく張り出しているので台風3号はゆっくりとしか進めませんが、本州の東の海上を北上し続けて本州に近づく可能性は低い見込みです。一方、朝鮮半島付近から北海道にかけて東西方向に雲の帯が広がっています。これは高気圧の縁を回ってくる非常に湿った空気に伴うもので、天気図には描かれていませんが実質的に梅雨前線ともいえそうです。関東甲信から九州にかけてはすでに太平洋高気圧の勢力下にあって、真夏の空気に覆われており、日中晴れていても山沿いで積乱雲が発生して局地的に雷雨になるといった天気が続いています。とくに高気圧の中心から離れた東日本で積乱雲の発生が多いと考えられます。

予想天気図 ポイントは湿った空気が流れ込む向き

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では今週末の天気を詳しく見ていきましょう。

5日(土)は未明から昼前にかけて、上空の気圧の谷が北日本と東日本を通過する予想です。このため北日本と東日本の山では午前中は若干雲が広がりやすく、雨が降ったりやや強い風が吹いたりする山岳もありますが、気圧の谷が通過した後は天気が回復に向かうでしょう。
ただし気圧の谷の通過後は、大陸や日本海に広がっている非常に湿った空気が流れ込んできて、日本海側と太平洋側で天気の傾向が二分されます。鳥海山、谷川岳、立山には雨のマークがついています。那須岳はどちらかと言えば太平洋側ですが、日本海側から入ってくる湿った空気の影響を受けやすいことから雨の予報です。東日本太平洋側は晴れてきますが、湿った空気や気温の上昇に伴って昼過ぎから雷雲が発生する可能性があるため注意が必要です。西日本は安定した晴天で登山日和でしょう。

6日(日)も太平洋高気圧の勢力がさらに勢力を増してくるため、全国的に晴天が見込めます。ただし、湿った空気の流れ込みが続いているため、東北の日本海側や北陸の山では局地的に雲に覆われやすいでしょう。また、北岳や赤岳など、中部山岳では湿った空気や気温の上昇に伴って午後から雷雨となる山もあるため注意してください。

標高1500mでも25℃近い暖気 日差しでさらに気温上昇

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地上だけでなく、山の山腹や頂上付近でも熱中症には十分な注意が必要です。太平洋高気圧の勢力が強いため、高気圧の背が非常に高くなっています。すると下降気流が強くなって地上付近だけでなく、標高1500mや標高3000m付近でもかなり温度が高くなっています。5日と6日の中部山岳付近、標高1500mには、21℃から24℃くらいの暖気が予想されています。実際に標高1350mにある野辺山アメダスではここしばらく連日25℃以上の夏日となっており、運動時には必ずしも涼しいとはいえません。登山は早起きするため寝不足になりやすく激しい運動でカロリーやミネラル不足に陥りやすいなど、熱中症のリスクがあるアクティビティです。飲み水を多めに用意したり、ペースをやや落として歩いたり熱中症を防ぐ対策をとりながら楽しんでください。

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