映画『国宝』人間国宝役・田中泯のエネルギーに、渡辺謙「地面に頭がつくぐらい下がる」

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2025年07月04日 20:10  TOKYO FM +

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映画『国宝』人間国宝役・田中泯のエネルギーに、渡辺謙「地面に頭がつくぐらい下がる」
アーティストの坂本美雨がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「坂本美雨のディア・フレンズ」(毎週月曜〜木曜11:00〜11:30)。

今回の放送ゲストは、俳優の渡辺謙さん️。渡辺さんが出演する現在大ヒット公開中の映画「国宝」について語っていただきました。


渡辺謙さん



現在大ヒット公開中の映画「国宝」は、李相日(リ・サンイル)監督が映画「悪人」「怒り」に続いて吉田修一さんの小説を映画化。歌舞伎の女形の世界を描いた本作。任侠の家に生まれながらも歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公の激動の人生を描いた人間ドラマです。

本作は吉田さん自身が3年間、歌舞伎の黒衣をまとって楽屋に入った経験をもとに書き上げた渾身の作品です。

主人公・立花喜久雄を演じたのが吉沢亮さん。喜久雄のライバルとなる歌舞伎名門の御曹司・大垣俊介を演じるのは横浜流星さん。そして、2人の指導にあたる歌舞伎名門の当主・花井半二郎を渡辺謙さんが演じています。


坂本:吉沢亮さんと横浜流星さん、本当に素晴らしい演技と踊りでしたね。

渡辺:李の作品って、「役を作る」っていうレベルでも難しいんですよ。それ以上にやらなければいけない演目が非常に多くて、それも僕が「連獅子」(※豪快な毛振りが印象的な歌舞伎舞踊)をやったのと同じで、あの重たい衣装とかかつらは本番にしか着けられないわけですよ。丸1日、延々とそれをやり続けなければいけないので、相当な忍耐力や体力、精神力を試される現場だったと思います。

坂本:そして、神様に触れたであろう人物・(人間国宝の女形役を、前衛舞踏家の)田中泯さんが演じられています。

渡辺:映画でも(田中さんの)人生が見えるんですけど、このあいだ、「国宝」のプロモーションでまたお会いしたときに聞いたら、毎月1回、舞踊の稽古に通っていらっしゃるらしいんですよ。

坂本:そうなんですか!?

渡辺:今まで“伝統”とか“型”っていうものに一切触れずに、魂で踊ってきた方ですよね。その方が、伝統とかその形をつけて振りをつけるっていうものに、ものすごい刺激を受けたらしいです。もう、80歳を超えているのかな? なのに、それをまた自分のなかに取り込もうとするエネルギー。僕はもう、地面に頭がつくぐらい下がっています。

坂本:ご自身の独自のやり方で体を追求してこられた方が、この作品にインスパイアされて……。

渡辺:そうなんです。それを撮影のなかで、ものすごく感じられていたんだと思うんですよね。だから「人生が透けて見える」っていう感じに映っているのではと思います。

坂本:李さんとも話していたんですけど、(田中泯さんは)目が本当にすごい。李さんは「体から発するもの」を期待しておられたけれども、なぜか目にスーッとフォーカスが行ってしまうと。

渡辺:喜久雄が「化け物やな」って言ってしまうんですけど、それを受けて、俊介が「化け物やけど、綺麗な化け物や」って言う。それを表しているなっていう感じですね。

坂本:喜久雄に「踊ってごらん」って言うときの、最後の見透かすようなあの目、いま思い出しても鳥肌が立ちますね。そんなシーンにもぜひ注目してください。謙さんも出演している映画「国宝」、現在全国で公開中です。詳しくは映画のオフィシャルサイトやSNSをご覧ください。


坂本美雨、渡辺謙さん



来週のゲストは7月7日(月)三浦大知さん、8日(火)mekakusheさん、9日(水)大貫妙子さん、10日(木)高島礼子さんです。

<番組概要>
番組名:坂本美雨のディア・フレンズ
放送日時:毎週月曜〜木曜11;00〜11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dear/
番組公式X:@dearfriends80
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