
(左から)パーソナリティの小山薫堂、小澤征良さん、宇賀なつみ
◆「世界のオザワ」が家族に見せる顔は?
今回の放送では、世界的指揮者の小澤征爾さんの長女で、作家として活躍する小澤征良さんがゲストに登場。小澤征爾さんのこれまでのキャリアを振り返りながら、親子のエピソードも紹介していきました。
小澤征爾さんは桐朋学園高校音楽科で指揮を学び、1959年にはフランスの指揮者コンクールで優勝。国際的な注目を浴びます。小澤さんはその後、カラヤンやバーンスタインといった巨匠に師事し、ボストン交響楽団やウィーン国立歌劇場の音楽監督を歴任。日本では、長野県松本市を拠点にサイトウ・キネン・オーケストラを率い、「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」を主宰。国内外から高い評価を受けてきました。
指揮者として音楽の世界で活躍する父の姿を尊敬していた一方で、征良さんは「父はすごく素の人なので、私は“世界的な人”っていう感覚を持ったことがないんですね」と話します。また、「親父ギャグを連発するような、人を笑わせるのが大好きな人でした」と語り、指揮者という肩書きとは別の、ユーモラスな父の姿が印象的だったと振り返ります。
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そんな父娘の関係が大きく変わったのは、2009年に小澤征爾さんの病気が発覚した頃でした。「それまでは悩みごとや判断はいつも父に相談して頼っていたんですけど、病気のときに父が初めて慌てていたというか、迷子のような表情をしていたんですね。そのときに“絶対に守らなきゃ”という自分のなかのスイッチが入りました」と振り返ります。
以降、病院でのやり取りや生活のなかで、征良さんが父をリードするようになりました。音楽に対する情熱が強いぶん、無理をして体調を崩しがちな父に、「水を飲んで」「休んで」と声をかける日々が続き、「喧嘩もたくさんしました」と笑顔で打ち明けてくれました。
◆強い絆で結ばれたサイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾さんが41年前に立ち上げたサイトウ・キネン・オーケストラは、娘である征良さんが代表をつとめています。指揮を学んだ恩師・齋藤秀雄氏の教え子たちが集まって設立されたこのオーケストラは、世界中で活躍する音楽家たちが一堂に会する特別な存在です。
現在では、父・征爾さんの人柄に惹かれて参加するメンバーも多く、征良さんは「まるで家族のような信頼関係があり、絆が強いオーケストラです」と紹介します。
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そのホームグラウンドである「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」は、2025年も8月11日(月・祝)から9月9日(火)まで開催が予定されています。準備の大変さがある一方で、長野県松本市の人々が温かく迎えてくれて、世界中から訪れる演奏家たちにとっても「第二の故郷」のような場所になっているそうで、「空気感からして違う、とっても特別な場所です」と征良さんは話しました。

今年も開催される「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」
◆父からの手紙を今でも大切に
番組テーマの「手紙」にちなんで、征良さんは父との文通の思い出を語ってくれました。征良さんはアメリカ合衆国サンフランシスコで生まれ、幼少期は海外で生活しますが、のちに日本に帰国。ボストン交響楽団の音楽監督をつとめていた父・征爾さんは単身赴任となります。
離れて暮らす父と、征良さんは手紙やカセットテープ、メールなどさまざまな方法でやり取りをしていたといいます。「私は、はがきをもらうのが大好きなんですね。父はそれを知っていたので、いろんなところに行ったときに(はがきを送ってくれた)。内容は一言二言なんですけど、“へのへのもへじ”が大きく描かれていたりしましたね(笑)」と明かします。「今でもそのはがきは持っています」という言葉に、父娘の絆の深さが表れているようでした。
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
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