
もしも、そんな夫とは別れたいと思うなら感情的に振る舞うという選択肢もあるかもしれません。一方で、「浮気は許せない。でも、離婚はしたくない」と考えるなら、冷静になる必要があります。
夫への怒りや、自分自身のプライドは一度、脇に置いておいて、まずすべきことは浮気相手と夫を別れさせること。そのために、どんな行動をとればいいのかを考え、実行することです。
浮気相手と夫を別れさせること、それは「説得」ではなく「戦い」です。「別れてほしい」とただ夫を説得するのではなく、浮気相手と本気で戦って勝利を納めることがゴールです。そのくらいの強い覚悟なくしては、夫の心を取り戻すのは難しいといえるでしょう。
具体的に、浮気相手と夫を別れさせるための戦略のポイントは2つあります。
浮気相手と夫を別れさせる戦略1|味方を増やす
夫の気持ちを取り戻すには、自分ひとりで戦う必要はありません。むしろ浮気相手に勝つためには「味方」を増やすことが鍵になります。
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「かわいい孫もいるのに、私たちもとても心配している」「子どものためにも別れなさい」などと義両親から夫をたしなめてもらうことで、浮気をしている身勝手さや軽率さを猛省させるきっかけにもなります。
浮気相手と夫を別れさせる戦略2|証拠を集める
夫の浮気を責める前に、まずやるべきは浮気の証拠を集めることです。証拠もなしに夫を責め立てるのは、夫との対立構造をつくるもと。かえって夫が浮気相手が結託して、妻に反撃してくる危険性もあります。LINEのやりとりやSNS、写真やレシートなど証拠を集めることは、相手を追い詰めるためだけではなく、妻の立場を守るための行動にもなります。コツは、あくまでも夫に悟られないように証拠集めに励むことです。
集めた証拠はすぐに使わなくても、いざという時の切り札としてて手元に持っていることが、妻の立場を圧倒的に強くすることにもつながります。
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「浮気相手と直談判」は逆効果
1つ注意しておきたいのは、「ウチの夫と別れてください」と浮気相手に詰め寄ることです。筆者の経験上、浮気相手に詰め寄った妻が思い通りの展開を迎えたという話を聞いたことがありません。それどころか、「彼女を妻から守らなければ」などと夫の気持ちが浮気相手に傾き、妻から心が離れてしまうことも少なくありません。怒りの感情にまかせて浮気相手に直談判するのはNGです。
浮気相手から夫を取り戻す方法は、激情でも対決でもありません。一見、静かに見えても、じわじわと包囲網を築いていくその冷静な戦略が、賢い妻がとるべき行動です。
夫婦関係を修復したいなら、浮気相手にはない真の強さが必要です。味方を増やし、証拠を集め、慌てず、焦らず。それがもっとも近道といえるでしょう。
岡野 あつこプロフィール
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。
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