【陸上】田中佑美1着→2着→1着“二転三転”初V「心臓ドクドク」重圧乗り越え/日本選手権

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2025年07月06日 22:15  日刊スポーツ

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女子100メートル障害決勝 優勝しトロフィーを手に笑顔の田中(撮影・宮地輝)

<陸上:日本選手権>◇6日◇最終日◇東京・国立競技場◇女子100メートル障害(ハードル)決勝



田中佑美(26=富士通)が12秒86(向かい風0・4メートル)で初優勝を飾った。


中島ひとみ(長谷川体育施設)と競りながらゴールへ飛び込んだ。当初は電光掲示板には中島の姿が映し出されており、優勝を逃したと覚悟した。「本当に集中していたので、何番か分かっていなくて。ひとみさんが映ったので、見えないところで抜かれていたんだな」と思っていたところ、1着に田中の名前が表示された。「自分の名前が出て、驚いてうれしくて」と喜んだ。


しかし、直後に1着中島、2着田中、3着寺田明日香に変更された。その後に順位の表示が消えて、現場は混乱。選手たちはトラックに座り込みながら正式な順位を待つ事態になった。最終的に、1位田中、2位中島で確定。1、2、1と順位が二転三転しての初頂点に「まだあまり実感は湧いていない」と冷静に振り返った。


インスタグラムでは9・2万人のフォロワーを誇る人気ハードラー。今季は4月に男子110メートル障害の石川周平との結婚を発表した。前日5日の準決勝では、日本歴代2位の自己ベストとなる12秒80(向かい風0・1メートル)をマーク。好調さをうかがわせていたが「昨日の夜は、気を抜いたら自然とレースのことを考えてて…しかも自分が負けていた。心臓がドクドクドクドクしていた」と吐露。それでも決勝で勝ち切り「ここで勝てた実体験は、今後のレースにつながる」とほっとした。


9月の世界選手権東京大会の参加標準記録(12秒73)は突破できなかったが、世界ランキングで日本人最上位につけており、代表入りは有力。「世界選手権では、自分はまだまだチャレンジャー。自国開催でプレッシャーも大きくなると思うが、一切背負わず、スタートに立ったらぶちかましてやるぞっていう気持ちを忘れないようにしたい」と意気込んだ。【飯岡大暉】

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