イラン出身の俳優・タレントのサヘル・ローズ(39)が7日、インスタグラムを更新。前日6日にTBS系で放送された「サンデーモーニング」(日曜午前8時)の番組内での、自身の発言に関し、真意をつづった。
サヘルは最初に「わたしの日本語がうまくなく、ちゃんと伝わらず不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません」と謝罪。その上で「正しい思いを伝えたくて書かせていただきます。私は『選挙権をください』とは言っていません」とつづった。言及したのは、参院選(20日投開票)に関するトークがなされた中での、次の発言についてだ。
「ちょっと悲しいなと思うのが、今、それぞれの党が闘ってはいると思うんですけども、そこの議題の中に、外国籍の方への発言だったりとか、移民問題があると思うんですけど。でも、私たち外国人は選挙権を持っていないので、そのことに対して(1票を)投じたかったりとか…。決して外国の人がすごく優遇されているわけでない。日本の方だって今、優遇されているわけでもない中で、選挙権がない、発言できる権利がない人たちを挙げて攻撃するのは、違うんじゃないかなと今、心苦しく見ています」
サヘルは「ただ、まっとうに働き、納税し、地域の一員として生きている外国籍の人々が、政治的な言説の中でひとくくりに語られ、『まるで全員が悪者のように扱われている』ことに、悲しみと不安を覚えました。もちろん、ルールを守らない人もいます。でも、すべての外国人がそうであるかのように語られるのは、あまりにも乱暴です」とつづった。その上で「私が伝えたかったのは、攻撃や排除ではなく、『共に生きている人がいることを、少しでも想像してもらいたい』という願いでした」とつづった。
サヘルは、イラン・イラク戦争で家族をなくし、4歳で戦争孤児となり、8歳で義母と来日した。そうした人生を踏まえ「私は8歳で日本に来て以来、この国に育てていただき、たくさんの温かいご縁に支えられて生きてきました。日本には、感謝してもしきれない気持ちがあります。だからこそ、この社会を良くしていきたいと願っています」とつづった。その上で「傷ついた人たちが沈黙しないでいられるように。見えないところで頑張っている誰かの声が、かき消されないように。これからも、対話を通じて伝えていきたいと思います」と切々とつづった。
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参院選の選挙戦が始まり、就労やインバウンド(訪日客)などで日本国内への流入が増える外国人に関する議論を、政党や候補者が日々、街頭や路上で展開している。そうした中でのサヘルの発言には、SNS上で「『サンモニ』は外国人ファースト」などの批判が出た。一方で「サヘルさんみたいな方ばかりではなく、問題を起こして反省もない外国人はいる」などの声もあった。
そうした声も踏まえてか、サヘルは投稿後、さらに投稿し、最初の投稿への反響に対し「多くのご意見を真摯に受け止めています。ありがとうございます」と感謝。その上で「私は『すべての外国人を擁護したい』と言ったわけではありません」と断言。「日本のルールを守らず、不法に滞在したり、社会に害を及ぼす行為をする外国籍の方には、厳しく対応されるべきだと考えています」と、問題を起こしたり、不法行為を行った外国人への対応は、適切かつ厳格にすべきだと主張。「ですので、皆さまのお考え、不安なお気持ちにさせてしまうような外国籍の方がいることについても、深くお詫び申し上げます」とつづった。
そして「言葉というものは、誰にとってもそうですが、『伝えたいこと』と『伝わり方』が違ってしまうことがあります。取り上げられ方や、ニュアンスひとつで、思いがすれ違ってしまうこともあると、今回改めて痛感しました」と、前日の放送からの一連の流れを振り返った。そして「厳しいご意見の中にも、関心を持ってくださる愛情があると、私が信じています。本当に、ありがとうございました」と、参院選で外国人に関することが論点になっていることに対し、日本人が関心を寄せることに意義を感じていることも示唆した。
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