優勝したVDSパニス・レーシングのドライバーたち。左からエステバン・マッソン、オリバー・グレイ、シャルル・ミレッシ 2025年ELMS第3戦イモラ 7月6日、イタリアのイモラ・サーキットでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第3戦『イモラ4時間レース』の決勝レースが行われ、VDSパニス・レーシングの48号車オレカ07・ギブソン(シャルル・ミレッシ/エステバン・マッソン/オリバー・グレイ組)が総合優勝。2025年シーズン初勝利を飾った。
先月フランスで行われた、ル・マン24時間レースのLMP2クラス準優勝チームが制した今回のレースは、開始1時間以内にタンブレロで4台のマシンが絡む多重クラッシュで20分間赤旗中断となり、その後もバーチャルセーフティカー(VSC)や3度のフルコースイエロー(FCY)が導入されるなど度々、競争が中断された。
赤旗中断後、VDSパニスのグレイがレースで主導権を握ると、48号車オレカは降雨の影響でマッソンが2度コースを外れる場面もあったが、首位の座を守り続けた。レース終盤には、Mレーシングの68号車リジェJS P325・トヨタから落ちたデブリを回収するためのVSCでリードが縮小されたものの、ミレッシがクリーンな走行でトップを譲らず、勝利を確固たるものにした。
なおVDSパニス・レーシングは、最後のピットストップでの給油作業違反の疑いで調査を受けた。しかし、最終的にはペナルティは科されず優勝が確定している。
2位にはインターユーロポル・コンペティションの43号車オレカが入った。今季のル・マンLMP2クラスウイナーとなった同チームも、ベクター・スポーツの10号車オレカをスピンさせた件でペナルティの有無が審議されたが、「お咎めなし」に終わりトップと8.8秒差の2位が確定することに。さらに24秒おくれたアルガルベ・プロ・レーシングの25号車オレカが総合3位で表彰台を獲得した。
その他の上位争いでは、アイアン・リンクス・プロトンの9号車オレカがVSC違反でドライブスルーペナルティを受けたあと4位でフィニッシュ。これにCLXモータースポーツの47号車オレカが続き、トップ5最後のスロットに入っている。プロ・アマクラスは、総合6位となったAO・バイ・TFの99号車オレカが、ポールシッターのプロトン・コンペティション77号車オレカとの激しいバトルを制した。佐藤万璃音組ユナイテッド・オートスポーツ21号車オレカはクラス6位に終わった。
一方、前戦ポール・リカールで総合優勝を果たした選手権リーダーのIDECスポール18号車オレカは、ダニエル・ジュンカデラのクラッシュによって今大会はノーポイントに終わる。これにより今戦のウイナーであるミレッシ/マッソン/グレイ組(51点)が、1ポイント差でジェイミー・チャドウィック/マティス・ジョベール/ジュンカデラを上回りランキングトップに躍り出た。
LMGT3クラスは、小泉洋史/チャーリー・イーストウッド/ルイ・アンドラーデ組のTFスポーツ82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rが今季初優勝をマークした。その後ろで行われたフェラーリ勢による三つ巴の戦いは、チェッカー後のペナルティもありつつケッセル・レーシングの75号車フェラーリ296 GT3が2位に。スピリット・オブ・レースの55号車がクラス3位、AFコルセ51号車が同4位となった。
ケッセルの木村武史組57号車フェラーリは、序盤のマルチクラッシュに巻き込まれリタイアとなっている。木村は自身のInstagramを更新し、事故後にメディカルチェックを受けたことを報告。「軽い鞭打ち症状が出てますが今のところ大丈夫です」と無事をアピールした。
LMP3クラスではCLXモータースポーツの17号車リジェJS P325・トヨタが、後続に2周差をつける快勝で、開幕からの連勝を「3」に伸ばした。クラス2位はレーシング・スピロット・オブ・レマンの31号車リジェ、同3位にはユーロインターナショナルの11号車リジェが入っている。
シーズン前半の3レースを終えたELMSの次戦は『スパ・フランコルシャン4時間レース』だ。今季後半戦のオープニングとなる第4戦は8月22〜24日にベルギーで開催される。
[オートスポーツweb 2025年07月07日]