2025年F1第12戦イギリスGP 優勝のランド・ノリスと2位オスカー・ピアストリ(マクラーレン) 2025年F1イギリスGP決勝で、マクラーレンのランド・ノリスは今季4勝目を挙げ、オスカー・ピアストリは2位だった。
2番グリッドのピアストリは、8周目にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抜いてトップに立ち、そこからセカンドスティント終わりまでトップを維持した。2番手フェルスタッペンに14秒以上の差を築いたピアストリだが、セーフティカー出動でギャップが消滅。さらに、2回目のセーフティカーがコースから去る直前、突然急ブレーキをかけてフェルスタッペンが一瞬前に出てしまうというインシデントが審議対象になった。
結局、スチュワードは、「セーフティカーのライトが消灯された後、ターン15手前のストレートにおいて不規則なブレーキングを行った」としてピアストリに10秒のタイムペナルティとペナルティポイント2点を科した。
ペナルティを科した理由についてスチュワードは、以下のように説明した。
「競技長がその周にセーフティカーがピットインすることを宣言し、セーフティカーのライトが消灯された際、81号車(ピアストリ)は突然強くブレーキをかけ(ブレーキ圧59.2 psi)、ターン14とターン15の間のストレートで速度を218km/hから52km/hにまで急減速した。その結果、1号車(フェルスタッペン)は衝突を避けるために回避行動を取らざるを得なくなり、一時的に不可避的に81号車を追い越すことになった。その位置は即座に81号車に返された」
「FIA競技規則第55.15条では、セーフティカーのライトが消灯された時点から、81号車は他のドライバーを危険にさらすおそれのある不規則なブレーキングやその他の操作を行うことなく、一定のペースで走行しなければならないと定めている」
「81号車の行動は、明確にこの条項への違反であった。ペナルティガイドラインに従い、81号車に10秒のタイムペナルティを科した」
フェルスタッペンはリスタート後にスピンで後退し、ピアストリの後ろ2番手にはノリスが繰り上がった。ピアストリはノリスとのギャップを拡大することができず、2秒弱の差で43周目に最後のピットストップを行い、ペナルティを消化。翌周にノリスが最後のタイヤ交換を終えた際には、ノリスが首位、ピアストリが2番手という位置関係になった。最終スティントでピアストリはファステストラップを記録しつつ、ノリスを追うが、ギャップは縮まらず、6.812秒差の2位となった。ピアストリは終始、ペナルティへの不満を示していた。
ノリスは母国初優勝を達成。ドライバーズランキングで首位ピアストリとの差を8点に縮めることに成功した。
■ランド・ノリス(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)決勝=1位(52周/52周)3番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→インターミディエイト→ミディアム
「どんな気分になるのか、今までは想像するのが難しかったけれど、まさに夢見ていたすべてがここにある。これまで成し遂げたいと願ってきたすべてが実現した瞬間だ。チャンピオンシップ優勝を除けば、気持ちの面でも達成感の面でも、これ以上のものはないと思う」
「素晴らしいレースだったが、今日それを特別なものにしてくれたのはファンのサポートだった。最後の数周は観客を見ながら、その瞬間を全身で味わおうとしていた。僕を応援するためのあのグランドスタンドにも感謝したい。彼らは本当に素晴らしかった。毎周自分を応援してくれて、本当に感動的だった」
「レースそのものについて言えば、これほどまでに神経をすり減らす展開もそうはないと思う。52周は長く、特に序盤に雨が降っていたため、何が起こるかまったく予測できなかった。でも、チームは素晴らしい判断を下し、ピットストップのタイミングも完璧で、驚くべき結果を得ることができた。信じられないほどの仕事をしてくれたチームに感謝する。今日のことは一生忘れられない思い出になるよ」
■オスカー・ピアストリ(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)決勝=2位(52周/52周)2番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→インターミディエイト→ミディアム
(走行直後のインタビューで語り)「あまり多くは言わない。言えば面倒なことになるからね。どうやら、もうセーフティカーの後ろではブレーキを踏んではいけないらしい。あの前に5周くらいずっとやってたけどね……。あまりしゃべりすぎると本当に面倒になるから、控えておくよ」
「でも、観客のみんなに感謝の気持ちを伝えたい。素晴らしいイベントだった。あの天気の中、最後まで応援してくれてありがとう。今日はここが好きだという気持ちにならなかったけれど、それでもシルバーストンはやっぱり好きだよ。来てくれてありがとう」
「ペナルティは正直、とてもひどいと思った。今日は速いマシンがあって、自分が証明したかったことは示せたから、それはよかったと思う。でも、それだけに、自分がふさわしいと思った結果を奪われたときはがっかりする。でももう仕方がない」
「ブレーキを踏んで、セーフティカーのライトが消えたのを見た。だから再加速しなかった。そうしたらマックスが僕を抜いていった。ちょっと妙な感じだったよ。その後、ペナルティを受けたんだ」
(この週末のポジティブな点は何かと聞かれ)「ペースは良かったこと。そして、やるべきことはすべてやったことだ。ただ、自分にふさわしい結果を得られなかった」
https://twitter.com/F1/status/1941923263329767716
[オートスポーツweb 2025年07月07日]