2024年WEC第5戦サンパウロのスタートシーン WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦しているトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は、今週末7月11〜13日にブラジルで行われる2025年シーズン第5戦『サンパウロ6時間レース』に出場し、シーズン後半戦の巻き返しの第一歩として、2台のトヨタGR010ハイブリッドで表彰台獲得を目指す。
戦いの舞台となるインテルラゴス・サーキットは1周4.309km、反時計回りのレイアウト。ここはTGRのWEC参戦史において重要な節目となった場所だ。2012年に現行WECで参戦を開始し、ここで初優勝を飾ったほか、2014年には同地で初のWECマニュファクチャラーズチャンピオンを決めた。さらに昨季も、平川亮/セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー組の8号車がポール・トゥ・ウインを達成し、マニュファクチャラーズタイトル獲得への大きな一歩となった。
ディフェンディングチャンピオンであるトヨタだが、今季はまだポディウムフィニッシュがなく、前戦のル・マン24時間レースでも小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ニック・デ・フリース組7号車が総合5位。姉妹車の8号車は一時首位を走るもレース終盤にトラブルに見舞われ総合15位に終わっている。
それだけに、過去4回行われたブラジル・ラウンドで2度のポールポジションと3度の表彰台フィニッシュを果たしている、好相性のインテルラゴスでの上位復帰に期待が掛かる。なお、週末の第5戦では7号車のマシンカラーリングがル・マンでのスペシャルリバリーから通常のマットブラックに戻される。また、ル・マンでWEC史上最多出場記録を“90”に更新したブエミが、同じ週末に行われるフォーミュラEに出場するため、8号車はハートレーと平川のふたりで6時間レースを戦うこととなる。
第5戦サンパウロのレースウイークは11日金曜に始まり、初日は各90分間の練習走行が2回行われる。12日土曜はFP3と予選/ハイパーポールを実施。6時間の決勝レースは13日日曜11時30分(日本時間11時30分)にスタートが切られる予定だ。
■TGR WECチームドライバーの事前コメント
●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「チーム全員がふたたびレース現場に戻れることを楽しみにしています。特にブラジルは最高です。ブラジルトヨタからのサポートは素晴らしく、サーキットの雰囲気も本当に特別です。ル・マンでは望んでいた結果を得ることができず、事実上、今年のチャンピオン獲得はほぼ不可能になってしまいました。しかし、我々は最後まで諦めることなく、すべてのレースで勝利を目指して戦い続けます。ライバルは今シーズンここまで強力なパフォーマンスを見せているため、挑戦が待ち受けていることは分かっていますが、我々も全員一丸となって懸命に取り組んでいます」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「ル・マンの後すぐにレースに戻れるのは嬉しい。とはいえ、休息と再調整の時間も確保できたので、ふたたび戦う準備は整っています。またブラジルでレースができるのを楽しみにしている。ブラジルは真のモータースポーツの国であり、ファンの皆さんも本当に素晴らしい。サーキットも長い歴史を持ち、特別な場所なので、訪れるたびに楽しむことができる。これまでブラジルでは好成績を残してきましたし、ふたたび表彰台に上れるよう頑張りたい」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「昨年インテルラゴスで初めてレースを戦ったが、最高の経験だった。ブラジルのファンの皆さんからの温かい応援がある一方で、サーキットはグリップが非常に低く、適切なセットアップを導き出すのが難しいという挑戦が待ち受けている。また、1周が短いため、コース上のトラフィックもひどく、それをかいくぐりながら走る、かなり慌ただしいレースになると思う。エキサイティングなレースになるだろうし、楽しみにしている」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「昨年、インテルラゴスで2台とも力強いレースを戦えたことは、今週末に向けて自信を与えてくれる。インテルラゴスは我々のシーズンのハイライトのひとつであり、ブラジルトヨタの関係者やサーキットを訪れたファンの皆さんからの多大なサポートを受けられるだけでなく、その雰囲気も本当に特別だ。ル・マンを終え、我々全員が力強いリザルトで後半戦のスタートを切ることを望んでいる。8号車は今回セブを欠くことになり残念だが、亮とふたりで6時間を戦うことには問題はないよ」
●平川亮(8号車ドライバー)
昨年ブラジルでの初レースは本当に楽しむことができました。8号車にとって、昨年レースはシーズン初勝利であり、タイトル争いにおいても重要な結果でした。今年もその再現を目指し、チーム一丸となって表彰台に返り咲くべく、全力を尽くしています。今回8号車がブレンドンと私のふたりで戦うことになりますが、いつもより多く走れるのは嬉しいことです。でも、セブが欠場するのは残念です。我々のチームスピリットは本当に強力で、ル・マン後の雪辱に燃えています」
[オートスポーツweb 2025年07月07日]