強引な勧誘で契約、退去時敷金が返ってこない…さまざまな「消費者トラブル」の解決をサポート!“消費生活相談員”の役割を専門家が解説

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2025年07月07日 21:00  TOKYO FM +

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強引な勧誘で契約、退去時敷金が返ってこない…さまざまな「消費者トラブル」の解決をサポート!“消費生活相談員”の役割を専門家が解説
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30〜7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。

7月6日(日)の放送テーマは、「人に寄り添い、暮らしを守る。消費生活相談員」。消費者庁 地方協力課の山本竜大(やまもと・たつひろ)さんと公益社団法人全国消費生活相談員協会 消費者教育研究所副所長の須黒真寿美(すぐろ・ますみ)さんをお迎えして、消費生活相談員について伺いました。


(左から)杉浦太陽、山本竜大さん、須黒真寿美さん、村上佳菜子



◆「消費生活相談員」とは?

「強引に勧誘されて契約してしまった」「注文した覚えのない商品が届いて料金を請求された」「賃貸マンションの退去時に高額なリフォーム代を請求され、敷金が返ってこなかった」など、私たちの日常生活には思いがけない消費者トラブルが潜んでいます。

さらに、インターネットやスマートフォンの普及によって、商品やサービスを簡単に利用できるようになった一方で、事業者と消費者のあいだに生じるトラブルは、より複雑かつ多様化しており、相談件数も年々増加しています。

そうした場面で、被害の防止や問題解決に向けてサポートしてくれるのが消費生活相談員です。「電話番号“188(いやや)”にかけていただくと、お住まいの近くの消費生活センターなどにつながります。この消費生活センターなどで皆さんの相談を受けているのが消費生活相談員です」と山本さん。

消費生活相談員は、日々の買い物やサービス利用に関する相談に対し、トラブルを解決するアドバイスや事業者との交渉などをおこないます。なお、消費生活相談員として働くには国家資格が必要で「クーリング・オフ制度」をはじめとした法律や制度に関する正確な知識が求められます。さらに、法制度は常に見直されるため、情報のアップデートも欠かせません。加えて、最近の取引はスマホでのネット購入やQRコード決済など多岐にわたるため、金融やデジタル技術など消費生活全体を取り巻く知識も必要になります。

ちなみに、現在は全国の地方公共団体に約3,350名の消費生活相談員が勤務しており、50〜60代が中心ながら、20代、30代の方も活躍しています。山本さんは「資格を取得すれば、年齢に関係なく60代以降でも最前線で働けますので、定年退職後のセカンドキャリアとして活躍されている方もいらっしゃいます。また近年は、インターネットやSNSを介した新しいトラブルが多いこともあり、デジタル技術や最近のトレンドに詳しい若い方の力も必要です」と解説します。

一方、相談者のなかには深刻なトラブルに巻き込まれ、精神的に追い詰められている状態で相談される方もいます。ですので、相談員には時代にあった知識に加えて、状況を丁寧に聞き出すコミュニケーションスキルや相談者に寄り添う姿勢が大切である一方で、相談員は公的な立場から業務にあたるため、中立・公平な視点で対応する姿勢も重要となります。

◆消費生活相談員としての“役割”

続いて、消費生活相談員として30年以上のキャリアを持つ須黒さんに、仕事のやりがいや役割について伺います。はじめに消費生活相談員を目指したきっかけを尋ねてみると、「私の場合は、娘が生まれて“より安全な物を食べさせたい”という思いを抱いたことから、消費者を保護する法律や食品に関する規制などが学べる『消費者カレッジ』を受講したのがきっかけです。ここで学ぶうちに消費生活相談員のことを知り、資格を取得した後、今の勤め先で相談員として勤務することになりました」と言います。

そんな須黒さんに消費生活相談員に寄せられる相談内容について伺うと、「相談は食品や衣料品関連だけでなく、住宅の購入や賃貸、車、美容医療、内職・副業、投資、オンラインゲームなどさまざまです。また、販売方法や勧誘の仕方、商品やサービスの表示・品質についてなど、トラブルの要因となる問題点も複数あり、最近ではインターネットを介した契約トラブルや、SNSをきっかけとしたトラブルが非常に多いです」と解説します。

一方、相談内容には「どのサイトから購入したのかわからない」「購入時の画面が残っていない」といったケースも多く、「法律違反や問題のある勧誘などがあっても、事業者が交渉に応じなかったり、そもそも所在地や連絡先がわからないといった場合には、解決が難しくなることもあります」と話します。そして最後に、相談員に必要なスキルとして、

・消費者の声に耳を傾け、事実を丁寧に「聞き取る力」
・状況を整理し、最善の対応を「調べて、考える力」
・法的知識と相談者の希望をわかりやすく「伝える力」
・問題点を指摘し、事業者と「交渉する力」

と“4つの力”を挙げつつ、「最も大切なのは『困っている人の役に立ちたい』という思いです。その思いを持つ方に、ぜひ仲間になっていただきたいと思います」と呼びかけました。

そして、山本さんは「消費生活相談員は、地域の消費者の暮らしの安心・安全を守る社会にとって欠かせない存在です。蓄積された相談情報は、国の消費者行政の企画・立案、そして法執行にも活用されており、国の政策を支えています。『困っている人の役に立ちたい』『誰かの役に立つ実感を得られる仕事がしたい』という思いを持っている方にとって、とてもやりがいのある仕事だと思います。まずは、人々の暮らしに密着し、課題の最前線で活躍できる消費生活相談員に関心を持っていただきたいです」とコメントしました。

番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「消費生活相談員」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず村上は“消費者トラブルで困ったら188(いやや)”を注目ポイントに挙げます。一方、杉浦は“「消費生活相談員」興味を持った方は調べてみてね”とスケッチブックに書き、「詳しく知りたい方は、消費者庁のWebサイト内にある『消費生活相談員』のページをご確認ください。仕事内容や資格試験の窓口などについて詳しく紹介しているパンフレット『消費生活相談員INFORMATION BOOK』も見ることができます」と紹介しました。


(左から)杉浦太陽、村上佳菜子



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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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