レッドブルのチーム代表に就任したローレン・メキース。フィルミングデーでチームに合流した オラクル・レッドブル・レーシングのチーム代表に新たに就任したローレン・メキースは、ミルトン・キーンズを拠点とするチームの指揮を執る初日について「現実とは思えない」瞬間だったと表現し、その瞬間の重みと、前任者であるクリスチャン・ホーナーの功績について語った。
メキースは、ホーナーが即時解任されたとのニュースが報じられた翌日、シルバーストンで実施されたレッドブルの2025年型マシンによるフィルミングデーから正式に職務を開始した。ホーナーの退団により、6度のコンストラクターズタイトルと8度のドライバーズタイトルを獲得した、20年間にわたるレッドブル優位の時代が終わることになる。ホーナーの影響力の大きさを振り返りながらも、メキースは変化の重要性を隠そうとはしなかった。
■ホーナーに敬意を表す「真っ先に思い浮かべるのは彼のこと」
「ここにいるのに彼に会えないということは、今でも現実味がない」とメキースは語った。
「クリスチャンの20年間にわたるリーダーシップの下で、このチームが達成した成果の大きさを過小評価することは不可能だ」
「私が彼に会ったのは20年前、彼がF1で最年少のチーム代表だったときだ。彼がどのようにしてこの場所を現在のレベルにまで引き上げ、その過程で数多くのタイトルと勝利を獲得してきたか信じられないほどだ」
「クリスチャンは、ヘルムート(・マルコ)とオリバー(・ミンツラフ)と一緒に、2年前に私をレッドブルファミリーに復帰させてくれた人物でもある。そして今日、私が真っ先に思い浮かべるのは、まさに彼のことだ」
ホーナーの解任は、レッドブルのコース上でのパフォーマンス低下、内部の権力闘争、そしてチームにおけるマックス・フェルスタッペンの長期的な将来をめぐる疑問が渦巻くなかで起きた。しかし、メキースにとって当面の課題は過去を振り返ることではなく、間近に迫っている大規模な移行に向けてチームが万全の態勢を整えることだ。
■将来を見据えて業界最高の人材をサポート
2026年の大幅な技術レギュレーションの変更が近づくなか、レッドブルは独自のレッドブル・パワートレインズ製パワーユニット(PU)を搭載する完全なワークスチームになる予定であることから、メキースはチーム内の利害関係と強みを痛感している。
「私は今でも、チーム外のほとんどの人々と同じように、彼らを評価している」とメキースは述べた。
「彼らを見ると、世界最高の仕事をしている人々であることがわかる。それがこのチームだ。以前はライバル関係にあったものの、彼らは最も優秀なチームであり、最大限の才能を集結させてきたチームだと考えている。そのチームに加わることができて光栄だ」
「ここにいる才能ある人材全員が、最高のパフォーマンスを発揮するために必要なものを確実に得られるようにすることに重点を置いている。なぜなら、彼らはすでに最高の人材だからだ。そして我々は、レッドブルのエネルギーがチーム全体に行き渡るように集中していく」
メキースは、以前フェラーリやFIAで仕事をした経験があるため、トップレベルの競争には慣れており、レッドブルでの指揮を開始するにあたって、協調的な考え方を持ち込んでいる。
「我々は今後の課題を過小評価しているわけではない。F1はおそらく史上最大のレギュレーション変更に直面することになるだろう」
「そして、独自のパワーユニットを搭載することになるので、レッドブルにとって非常に特別な経験となる。そのため、これは信じられないほどの挑戦になるだろう」
「今後数週間は、できるだけ多くのスタッフと会って話を聞き、レッドブルF1というこの美しく魔法のようなマシンを理解し、最終的には貢献して支援する方法を見つけることに注力する」
メキースの時代は、F1で最も成功したチーム代表のひとりの影で始まっているが、このフランス人は謙虚さと尊敬の念を持ち、レッドブルを侮れない勢力にした人々を力づけることに揺るぎない焦点を当てて、その地位に就いている。
[オートスポーツweb 2025年07月15日]