
登山をより快適に楽しむためには、靴や服装だけでなく、「リュック」選びもとても大切です。特に長時間の山歩きでは、リュックが体に合っていないと肩や腰への負担が積み重なり、思わぬ疲労や痛みの原因になることもあります。
そこで本記事では、長時間背負っても疲れにくい「登山リュック」の選び方として、4つの大事なポイントを紹介します。
さらに、日帰り〜1泊の小屋泊登山を想定したおすすめモデルを紹介するので、併せて参考にしてみてください!
●ポイント1:自分の体に合うサイズと背面構造を意識しよう
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登山リュックを選ぶ際、最も大事なのは「自分の体型に合っているかどうか」ということ。そこでまずチェックしたいのは、背面サイズ(背面長)と背中へのフィット感です。
背面サイズとは、首の付け根から腰骨の上までの長さのこと。背面サイズの合ったリュックを選ぶと、重さをしっかり肩と腰で分散でき、体の負担がぐっと軽くなります。
最近では、同じモデルでも背面サイズ違いや、男性用・女性用でストラップの角度や厚みが工夫されているものが増えているので、選ぶ際にチェックしてみてください。
店頭で実際に背負って試す際は、荷重が満遍なく体にのる感覚があるか、背中が無理なくリュックに沿っているかを確認しましょう。
背面構造がしっかりとしたリュックは、長時間の山歩きでも疲れにくく、安心感があります。ただし、背面のフレームが骨に当たるなど違和感がある場合は、そのモデルが自分に合っていないサインかもしれません。しばらく歩いたり、重いものを入れたりして、入念にチェックするのがおすすめです。
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●ポイント2:肩・腰・胸のベルトで負担を分散できるものをチョイス
快適に登山リュックを背負うためには、ショルダーベルト・ヒップベルト・チェストベルトを正しく締めることが大切。しっかりとした構造か、違和感のない設計かをチェックしましょう。
ヒップベルトは腰骨の上にしっかりと当たる位置で固定することで、腰全体で荷重を支えられるようになります。
ショルダーベルトは、斜め下方向に引いたときしっかりとフィットするか確認しましょう。さらにチェストベルトを活用すると、左右のブレを防いで歩行時のバランスが安定し、余計な疲れを感じにくくなります。
これらのベルトがしっかり作られたリュックは、荷物の重さを体全体で受け止めることができ、長時間背負っても安心です。
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●ポイント3:荷物の重心が上にかかる設計
登山リュックは、高めの位置に荷物の重心がかかるように設計されているものがおすすめです。重心が上にあると、体との一体感が増し、荷物の揺れや後ろへ引っ張られる感覚が少なくなります。
リュック上部のストラップ「スタビライザー」が付いているモデルであれば、スタビライザーを引くことで、重心をさらに体に寄せ、安定させることができます。
重心が後ろにあるとバランスを取ろうと余計な筋肉を使い、疲れの原因になりがちです。荷物の詰め方とあわせ、リュック自体の設計やストラップ調整で重心をうまくコントロールしましょう。
●ポイント4:軽さだけで選ばず、機能性も見極めて
「登山リュックは軽ければ軽いほど良いのでは?」と思う人も多いと思いますが、そうとは限らないことを覚えておきましょう。
軽量化のために背面パネルやベルトの厚みが簡素化されすぎていると、重い荷物を背負ったときに体への負担が大きくなりがちです。
荷重分散の工夫やフィット感、強度が備わった上で軽いモデルを選ぶようにしましょう。特に長時間歩く登山では、少しの重量差よりも「体に合うかどうか」が重要。店頭で試着する際は、重りを入れて実際の感覚を確かめると安心です。
●日帰り〜1泊の小屋泊登山用向け「登山リュック」おすすめ3選
カリマー コントア27
背面サイズの調整ができるモデルで、安定した背負い心地に定評があります。下部にもジッパーがあり、荷物の出し入れが簡単なのも使いやすいポイントです。
パーゴワークス ゼン25
2025年に新登場したモデルです。重心が高い設計や、支点を低くしたショルダーハーネスにより、抜群のフィット感と安定感を実現しています。
グレゴリー シトロ30
背面パッドは、しなやかさと吸湿発散性を備えています。さらにサポート力も優れているため、疲れにくい背負い心地と汗をかいてもベタつかない快適性を両立します。