◎勝部、高橋がリード=北海道【参院選情勢】
共に再選を目指す立民現職の勝部と自民現職の高橋がリード。残る1議席を自民現職の岩本と国民新人の鈴木、参政新人の田中が争う。
2議席死守を掲げる自民は、高橋と岩本の「票割り」を徹底できるかが課題。地元知事を4期務めた高橋は道内をくまなく回り支持基盤の強化を図る。岩本は党幹部の応援を受けて知名度向上に懸命。推薦を得た公明と連携し、自公の支持層固めにも注力する。
勝部は立民支持層をまとめ、トップ当選を目指す。政府の物価高対策を不十分だと断じ、批判票の取り込みも狙う。鈴木は札幌市など都市部を中心に支持を訴え、無党派層への浸透を図る。
◎福士がやや先行=青森【参院選情勢】
立民新人の福士がやや先行し、自民現職の滝沢が懸命に追う。福士は連合や社民の支援も得て知名度向上に注力。「最重点区」と位置付ける立民の党幹部らがてこ入れし、無党派層へも浸透を図る。滝沢は環境副大臣などを務めた実績をアピール。公明の後押しも受けつつ、組織固めに奔走する。共産荻野、参政加藤らは厳しい。
◎横沢が優勢=岩手【参院選情勢】
立民現職横沢がリードする。共産、社民の支援を受け、野党共闘を構築。県知事も応援に入るなど、無党派を含む幅広い支持の獲得を目指す。自民元職平野は、復興相など国政での経験をアピールして追い上げを図る。食料安全保障の強化や国土強靱(きょうじん)化を訴えるが、「政治とカネ」の問題で党への逆風が続く。参政及川、諸派吉田の新人2人は厳しい。
◎石垣に支持広がり=宮城【参院選情勢】
先行する立民現職の石垣を、自民新人の石川が追う。石垣は大票田の仙台市を基盤に、郡部でも支持拡大に注力。党幹部が応援に入るなど無党派層への浸透も図る。石川は15年超務めた県議時代の実績を強調。公明や県内全市町村長の支援を受けて組織戦を展開するが、党の「政治とカネ」の問題を受けた逆風で伸び悩む。参政ローレンスらは厳しい。
◎寺田と中泉が伯仲=秋田【参院選情勢】
無所属現職の寺田と自民元職の中泉が激しく競り合う。寺田は立民や共産などの県組織の支援を受けるが、党派色を極力抑えて無党派層への浸透を図る。義父が元知事、夫が衆院議員という知名度も武器だ。中泉は農業に従事していた経験をアピール。組織固めに全力を挙げる。参政佐藤、諸派本田の2新人は厳しい戦い。
◎芳賀、大内が競る=山形【参院選情勢】
再選を目指す無所属の現職芳賀と、自民新人の大内が激しく競る。国民民主などの支援を受ける芳賀は野党支持層に浸透。物価高対策に全力を挙げる姿勢をアピールし、無党派層の取り込みを図る。大内は県議の経験を生かし、経済の振興など地域密着型の政策を強調。地元選出の国会議員らと連携して、組織票をまとめる。共産新人三井寺らは厳しい。
◎石原と森が接戦=福島【参院選情勢】
立民新人の石原と4選を目指す自民現職の森が接戦。石原は共産の支援も受け、課題の知名度向上に躍起。党幹部らのてこ入れで自民批判票の取り込みも狙う。公明が推薦を見送るなど、自身も関与した党派閥の裏金事件が尾を引く森は、東日本大震災の復興事業など実績をアピール。組織固めを急ぐとともに、都市部を中心に無党派層への浸透を図る。参政大山らは厳しい。
◎上月優勢、小沼・桜井追う=茨城【参院選情勢】
自民現職上月が優勢。残る1議席を巡り立民現職小沼がやや先行し、参政新人桜井が懸命に追い掛ける。
上月は50万票の確保が目標。知名度と組織力を生かし、安定した戦いを進める。小沼は連合茨城の支援を受けて労組票を固め、無党派層の支持拡大も狙う。桜井は若年層を中心に支持を広げ、保守層の取り込みを図る。維新新人北崎と共産新人高橋は支持層への浸透を急ぐ。諸派新人の石井、酒井らは厳しい。
◎板津と高橋が横一線=栃木【参院選情勢】
立民新人の板津と、3選を目指す自民現職の高橋が激しく競り合う。板津はSNSで支持を訴え、都市部を中心に浮動票の取り込みを狙う。維新、国民が擁立を見送ったことから、野党支持層への浸透を急ぐ。国土交通副大臣の高橋は、公明と業界団体からの推薦を生かし、組織票固めを図る。新人の共産福田、参政大森らは厳しい。
◎清水を河村ら追う=群馬【参院選情勢】
再選を目指す自民現職清水を、立民新人河村、参政新人青木が懸命に追う。清水は地元国会議員の支援を受け、業界団体の票固めを急ぐ。河村は児童相談所にランドセルなどを寄付する「タイガーマスク運動」の知名度を生かし、無党派層に浸透を図る。青木はSNSでの発信に力を入れ、保守層の切り崩しを狙う。新人の共産高橋、諸派井田らは厳しい。
◎古川、熊谷が抜け出す=埼玉【参院選情勢】
4議席を15人が争う乱戦。自民現職の古川と立民現職の熊谷が抜け出し、参政新人の大津と国民新人の江原が猛追。公明現職の矢倉、共産現職の伊藤も激しく追い上げる。
4期目を目指す古川、2期目に挑む熊谷はそれぞれ組織票をまとめ、SNSを活用して無党派層の取り込みを図る。大津は地方議員の経験を訴え、保守層の切り崩しを狙う。江原は県議時代から地盤とする県北部を足場に、県南部への支持拡大を目指す。
3期目を狙う矢倉は支持母体・創価学会を通じて支持を広げる戦略だが、昨年の衆院選での石井啓一前代表の落選を引きずる。再選を期す伊藤は政権批判票を糾合しようとSNSをフル活用する。
維新新人の龍野やれいわ新人の桜井は苦しい。
◎長浜やや有利=千葉【参院選情勢】
立民現職の長浜がやや先行し、国民新人小林と自民現職石井の2人が追う。参政新人中谷と自民現職豊田も追い掛ける。
参院副議長の長浜は、地元選出の野田佳彦代表の支援を受けて立民支持層をまとめ、トップ当選を狙う。小林は都市部を中心に街頭演説を繰り返し、女性や子育て世代への浸透を図る。石井は集会を重ねるなど組織固めに注力。石破茂首相や熊谷俊人知事らが続々と応援に入る。
中谷は保守票に照準を絞る。豊田はこれまでの実績を訴えるなど議席維持に懸命。いずれも新人の共産白石、維新石塚、れいわ山本らは厳しい。
◎自公立共参が優位=東京【参院選情勢】
改選6議席に非改選の欠員分1議席を加えた7議席を32人で争う激戦。自民、公明、立民、共産、参政は1議席確保が視野に入っており、国民も議席獲得を狙う。自民、立民、国民は2人ずつ擁立した。
自民新人鈴木はソウル五輪競泳金メダリストで、初代スポーツ庁長官を務めた知名度を生かして優位に戦いを進める。公明は新人川村が支持層を固める。
再選の懸かる立民現職塩村は1期目の実績を訴え、支持を広げる。3選を狙う共産現職吉良も組織力を生かす。参政新人さやは無党派層や自民からこぼれ落ちた票の取り込みに懸命だ。
国民新人牛田は、元アナウンサーの知名度を生かして幅広い層への浸透を目指す。一方、自民現職武見は13年参院選から続く自民2議席を死守するため、日本医師連盟などの業界団体から支援を受けて組織戦を展開する。立民現職奥村も当選圏入りへ追い上げを図る。
維新元職音喜多、国民新人奥村、れいわ新人山本、保守新人小坂、地域政党「再生の道」新人吉田、社民新人西もそれぞれ支持を訴える。
7議席のうち6番手までの任期は6年。残り1議席の任期は3年となる。
◎牧山、脇が一歩リード=神奈川【参院選情勢】
改選4議席に16人が出馬した混戦から、立民現職牧山と自民新人脇が抜け出した。残る2議席を巡り、公明現職佐々木、参政新人初鹿野、国民新人籠島が激しく競り合う。
立民は当初、2人を擁立する予定だったが、週刊誌のパワハラ報道を受け、もう一人の現職が出馬を断念。4選を狙う牧山は連合から推薦を得て有利に戦いを進める。脇は自民支持層をまとめる組織戦を展開する。
3選の懸かる佐々木は公明支持層を固め、推薦を得る自民と連携して議席死守を目指す。党の勢いで当選争いに急浮上した初鹿野は、無党派層の取り込みを図る。元農林水産省職員の籠島も連合から推薦を受けるが、知名度不足が課題。前回次点だった共産新人浅賀は党支持層をまとめて懸命に追う。