◎打越と中村が接戦=新潟【参院選情勢】
立民現職の打越と自民新人の中村が1議席を巡って接戦。昨年の衆院選で全5選挙区を制した立民は「必勝区」と位置付ける。打越は再選を目指し、政権批判票の取り込みに懸命だ。中村は五輪競泳銀メダリストの経歴をアピール。組織固めを図るほか、無党派層への浸透も目指す。ただ、陣営は参政新人の平井に保守票が流れる可能性を危惧している。
◎堂故、庭田が競る=富山【参院選情勢】
3選を目指す自民現職堂故と国民新人庭田が激しく競り合う。堂故は元国土交通副大臣として能登半島地震に対応した実績を強調。首長や地方議員の後押しを受け、自公支持層を固める。庭田は連合富山の推薦と立民県連から支援を受ける。元アナウンサーの知名度を生かし、無党派層の取り込みを図る。共産新人坂本、参政新人田保らは厳しい戦い。
◎宮本に浜辺迫る=石川【参院選情勢】
4選を狙う自民宮本を国民新人浜辺が追い上げる。宮本は派閥裏金事件で処分を受けたが、能登半島地震の復興や中小企業支援を訴える。公明から推薦を得た。浜辺は元教員の経歴を生かし、教育政策などをアピール。独自候補を擁立しなかった立民の支援も受ける。共産村田、参政牧野、諸派小沢の3新人はいずれも広がりを欠く。
◎滝波が先行=福井【参院選情勢】
3選を目指す農林水産副大臣の自民現職滝波が先行する。県農政連など800を超える推薦団体に支えられ、北陸新幹線の県内開業などの実績をアピール。野党は候補が乱立し、国民新人山中、立民新人かずえちゃん、参政新人千田、共産新人山田が激しく競り合う。連合福井は国民、立民の推薦を見送った。保守大坂らは厳しい。
◎後藤、森屋が激戦=山梨【参院選情勢】
国民新人の後藤と自民現職の森屋が激しく競り合う。元県知事の後藤は知名度を生かし、政権批判票の取り込みに注力。農林水産省職員の経験から農政改革などをアピールする。3選を狙う森屋は岸田内閣で官房副長官を務めた実績を強調。自民、公明の支持層固めを図る。参政新人の永田は党への追い風に期待。共産早田、諸派舟橋の2新人は厳しい。
◎羽田が優勢=長野【参院選情勢】
再選を目指す立民現職の羽田が有利に戦いを進め、自民新人の藤田が追う。羽田は野党支持層に加え、無党派層にも支持を広げる。刷新感をアピールする藤田はSNSをフル活用。無党派層が多い女性や若者の取り込みを図るが、伸び悩む。参政新人の竹下は街頭演説の回数を増やすなど追い上げに懸命。諸派の山田、加藤は厳しい戦い。
◎若井ややリード=岐阜【参院選情勢】
裏金事件で自民を離党した現職が立候補を見送り、新人6人が争う。自民若井がやや先行し、立民服部が猛追する。若井は県議時代の実績をアピール。組織戦を展開し、地盤を固める。服部は連合岐阜の推薦を得て、知名度向上に躍起。党幹部の相次ぐ応援を受け、政権批判票の取り込みを図る。参政新人の瀬尾が懸命に追う。共産新人三尾らは苦しい。
◎榛葉、牧野が安定=静岡【参院選情勢】
共に現職の国民榛葉は5選、自民牧野は4選を目指して安定した戦い。党幹事長として全国を回る榛葉は地元での活動が限られるものの、連合の支援を受け、独自候補の擁立を見送った立民支持層にも浸透。牧野は党所属の地方議員や、推薦を受ける公明と連携して地盤を固めつつ、無党派層の掘り起こしも図る。いずれも新人の参政松下、共産鈴木は懸命に追い掛ける。諸派新人の福原らもSNSを活用して政策を訴えるが、広がりを欠いている。
◎立自国が抜け出す=愛知【参院選情勢】
立民、自民、国民が抜け出し、4議席目を参政と公明が激しく争う。立民現職の田島は連合の推薦を受け、組織票を手堅くまとめる。19年参院選でトップ当選した自民現職の酒井は知名度を生かして安定した戦い。国民新人の水野も連合の推薦を得て、50万票を目標とする。
参政新人の杉本は外国人政策などに力点を置き、SNSを通じて若者世代を中心に支持を拡大。既成政党への批判の受け皿となることを狙う。公明安江は子育て政策での実績を訴え、議席維持に懸命。斉藤鉄夫代表ら党幹部が連日応援に入り、てこ入れを繰り返す。
新人の共産須山、維新広田、れいわ辻は浸透を急ぐ。日本保守の推薦を受ける諸派田中らは苦戦している。
◎小島が引き離す=三重【参院選情勢】
立民新人の小島が先行し、3選を目指す自民現職の吉川が懸命に追う。国民や連合の支援を受ける小島は、県内をくまなく回って教育・子育て政策の充実を訴え、支持拡大を図る。吉川は自身も関与した派閥裏金事件の逆風が響く。公明への推薦依頼も取り下げざるを得なかった。参政新人の難波も必死の追い上げ。諸派新人の橋本は厳しい。
◎宮本やや先行=滋賀【参院選情勢】
自民新人で公明が推薦する宮本がやや先行する。守山市長時代の行政経験など「即戦力」をアピールし、支持固めに奔走する。立民と候補者を一本化し、連合滋賀の推薦を受けた国民新人の堀江が猛追。党幹部の応援を得て、浮動票を取り込む。参政新人の中田、維新新人の岡屋は保守票の切り崩しを狙い、共産新人の佐藤が続く。諸派新人菅原らは厳しい。
◎維自共立参が横一線=京都【参院選情勢】
維新新人の新実、自民現職の西田、共産現職の倉林、立民新人の山本、参政新人の谷口が横一線で競り合う。新実は元アナウンサーの知名度を生かし、幅広い層を取り込む。西田は沖縄の「ひめゆりの塔」発言で批判を浴び、組織固めに懸命。倉林は共産支持層に加え、市民団体などと連携して無党派層への支持拡大を目指す。山本は知名度不足を補うため、党幹部が相次いで選挙区に入る。谷口は党の勢いを背に保守層に食い込む。出馬表明が遅れた国民新人の酒井は巻き返しに全力を挙げる。れいわ新人の西郷らは広がりを欠く。
◎佐々木リード、柳本ら追う=大阪【参院選情勢】
改選4議席を巡る争い。維新新人の佐々木が一歩リードし、自民新人の柳本、参政新人の宮出、公明現職の杉、維新新人の岡崎が懸命に追う。維新は「本拠地」大阪での2議席確保が至上命令。地方議員が手分けして、これまでの改革の実績をアピールする。両新人の「票割り」が徹底できるかが課題だ。
柳本は現職の立候補取りやめで出馬表明が6月にずれ込み、支援組織などへの浸透を急ぐ。宮出は先の東京都議選で参政が躍進したことを追い風に、支持を広げている。党は最重点区と位置付け、てこ入れを強化する。3選を目指す杉は支持母体を中心とした組織戦を展開するが、支援者の高齢化が影を落とす。
共産新人の清水、立民新人の橋口、国民新人の渡辺は無党派層の取り込みに全力を挙げる。それぞれ党幹部らが相次ぎ現地に入る。
◎泉が抜け出す=兵庫【参院選情勢】
改選3議席を13人が争う。元明石市長の無所属新人泉が知名度を生かして抜け出す。共に現職の自民加田と公明高橋が競り合い、新人の維新吉平、参政藤原、国民多田が激しく追う。
泉は選挙前から県内を精力的に回り浸透。19年は最下位で当選した加田は派閥裏金事件もあり危機感が強い。石破茂首相が公示日の第一声で訪れた。公明は兵庫を最重点区と位置付け、斉藤鉄夫代表も第一声で高橋の応援に入った。
維新はトップ当選を果たした19、22年と比べて失速気味。吉平は出馬表明が4月と遅れ、巻き返しに懸命だ。藤原と多田は党の勢いを背に無党派層への浸透を図る。元職の諸派立花も支持拡大を目指す。
◎堀井が優勢=奈良【参院選情勢】
3選を目指す自民現職の堀井が先行。支援団体を精力的に回るほか、地元選出の国会議員らとの集会を重ねる。公明の推薦も得て、足元を固めつつある。いずれも新人の維新平、立民川戸、共産太田、国民杉本、参政黒川が追い掛ける。野党候補の乱立で政権批判票が分散。連合奈良は事実上の自主投票とした。諸派新人川崎は厳しい。
◎望月、二階が激戦=和歌山【参院選情勢】
無所属望月と自民二階の両新人が激戦。元有田市長の望月は、自民を離党した世耕弘成前参院幹事長の支援を受ける。二階は政界を引退した父の俊博元幹事長の地盤を軸に徹底した組織戦を展開。政権幹部らも相次ぎ応援に入る。保守分裂選挙となる中、参政新人の林元、維新新人の浦平は追い上げを狙う。共産新人の前らは厳しい。